皆さま
すっかり秋らしい日々、
ワンピース一枚にサラッとスニーカーで出かけられる、短いですが過ごしやすい季節。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
本日は、先日キナリノにて掲載いただいたGRANDMA MAMA DAUGHTER(グランマ ママ ドーター)の特別な一着、"mum"シリーズについて、
今を支えている日本のものづくりをご紹介したいと思います。
ブランドデザイナーの思いの込もった一着"mum"シリーズ
"mum"とは、"お母さん(ママ)"と"菊の花"というふたつの意味があります。
デザイナーが昔お母様より受け継いだ、菊の花のワンピースをモチーフに、プリント生地からオリジナルでお作りしたシリーズ。
ブランド10周年を迎えるにあたり、より特別な一着を、数量限定にてお作りしました。
ワンピース、トップス、スカートをご用意しています。
東海染工さんの職人技、一枚のプリント生地を作るということ
普段わたし達が当たり前に着ているお洋服、その背景には職人さん達のお仕事があります。
改めてそんな背景を見ると、一着に対して今までとは違った思い入れができるのでは、
お洋服を着るだけではなく そこにまつわるストーリーを纏うことで、何気ない1日もちょっと特別なものに感じられるのではないでしょうか。
そんな個人的な思いもあり、
プリント生地を作ってくださった、東海染工さんにお邪魔して、その工程を拝見してきました。
老舗の確かな技術を持つ東海染工さん。
プリントの工程に入る前に、まずは下準備。
100m単位で送られてくるキバタ(生地のベース)をミシン継ぎしてから、
プリントがきれいに染め上がるよう、コットンのキバタは表面を毛焼きし、なめらかにします。
そこから、発色の良いベースを作るために生地を漂白していきます。
生地のベースって、白いって思いがちですが、実はこれはベースを漂白するという一手間がかかっているのです。
東海染工さんでは、環境のことを考慮し、水素・尿素を使って漂白しているそうです。
素材によって全く性質が異なる為、プリントに至るまでの下準備が意外な程に人の手作業によって丁寧に行われて、ようやくプリント工程に入ります。
今回のプリントはローラーによってプリントしていますが、プリント仕様・素材によって適切な技法を使い分けているそう。
ほんの少しの温度や湿度の違いで色ブレが起こるので(同じ一日の数時間でも違ってくるそう!)、熟練の職人さんによって都度調整しながら色を作っていき、染め上がりが均一に仕上がるよう一気にプリントする。
プリントされた生地は職人さんによって色・柄のブレがないか確認され、品質検査から包装までの一連を、丁寧に行われています。
働いている職人さん達のお話を伺いながら、気持ちの良い働き方、お話してくださる際の良い表情は、襟を正されるような思いがしました。
そうやって出来上がった生地は、パーツ毎にカットされ、岡山にある縫製工場にて綺麗に縫製されて仕上がってきます。
日本製に対する国内外からの需要が多いのにも関わらず、国内の縫製工場では人材など不足しているようで、
今後ますます貴重なものとなってしまうのでしょうか。。
次世代の育成や、研修生制度など様々な取り組みを行って、働きやすい環境つくりに尽力されているお話も聞きました。
環境に対する取り組みなど活発になっていく中で、わたし達が着る「洋服」においても考えなおす部分は多いにあると思いました。
染料についても、色ブレを厳しく指摘し、均一に仕上げることに対する消費者からの要望など、植物由来成分ではまかなえない事情も感じます。
日頃当たり前に手にしていることって、実はよくわかっていなかったりします。
とは言え、いつの時代もお洋服によって生活を彩ることは変わりのないこと。
その日の気分に合った洋服を着るだけで、ちょっと特別な心の広がりが生まれたりします。
一着に対する思い入れ、それを受け継いでいけるようなものづくりを。