数々のブランド靴の生産も手掛けているメーカー東京靴研のオリジナルブランドKUTSUNE（クツネ）と一緒に、サンダルを作りました。当店からの「ラフになりすぎないデザインで、窮屈な靴を履いてきた事によって変形した親指や小指をうまくカバーできる一足」というリクエストをもとに完成したのは、見栄えのするレザーサンダル。どんな格好にも合わせやすく、幅広甲高の足にも負担のかからない一足です。

レースアップシューズ等、女性らしくなりすぎない革靴を得意とするKUTSUNEさんに当店がサンダルの制作をオファーしたのには、理由があります。

レディーライクなデザインのものは、街歩きや旅行の際など、長時間歩くには不安があるし、だからといってスニーカーブランドのものはスポーティーなテイストが多く、きれいめの格好には合わない。そんなサンダルにまつわるお悩みって意外と多いと思います。

そこで、女性らしさはありつつも、長時間歩いても疲れないラフさや機能性を備えたサンダルの制作は、レースアップシューズ等、女性らしくなりすぎない革靴を得意とするKUTSUNEさんならば、とオファーをしたんです。

完成したのは、カジュアルなサンダルの型を使った革のサンダルです。アッパー部分は、ほんのりと光沢のある牛革を使用。クッション性のあるコルクの靴底も革でくるみ、すべてを黒で統一することで、カジュアル見えする要素を排除しています。

ユニセックスなデザインの靴の木型を使用しているので、サンダルの幅がゆったりしていて、幅広、甲高の方でも履けるのもいいなと思います。

サンダルを履く際に、女性が気にするのが、足の露出です。甲の部分はもちろんですが、パンプスなど窮屈な靴を履いてきたことで変形した足指や爪も含め、カバーしたいとの相談をしました。

そのうえで完成したサンダルは、甲の部分がV字にカットされています。つま先部分は、甲とは逆向きにV字カットし、蝶のようなデザインです。外反母趾や締め付けで変形してしまう親指の付け根や小指をうまく隠して、つま先の一部分のみを露出させることで、サンダルらしい軽さを出しているのが、いいなと思います。

このサンダルは、長時間歩いても疲れにくい工夫もきちんとされています。ぱっと見はわからないのですが、実はトング型なんです。

トングとは、つま先部分が下駄の鼻緒の様になっているサンダルの事です。サンダルを履いていても、足指がバラバラに動かしやすく、グリップ力が上がるので、疲れにくいのがいいところです。

また、足首のベルトによって、足をしっかりと固定。実は足汗によってサンダルの中で足が泳いでしまう事も多く、無意識に足を緊張させながら歩いている方が多いのです。ベルトは自分の甲の高さに合わせて調整が可能。まず初回に履く際に、自分の足首に食い込まない程度にベルトの穴の位置を調整してください。その後はベルトは触らず、脱ぎ履きの際は、スナップボタンを使用するだけ。これをやるだけで、かなり疲れにくいと思います。

靴のソールは、つま先とかかと部分がわずかに薄く、船のような形になっているのがわかると思います。これは、歩く際の体重移動をスムーズに誘導し、前につんのめらないための工夫です。

靴底には氷の上でも滑りにくいと世界的に評価されてるVibram（ビブラム）社製のゴム底を貼っています。Vibram社は登山用のものなどソールを専門に作っているイタリアのメーカーです。世界的な靴ブランドも、ソールはVibram社のものを採用するなど、滑りにくく耐久性のあるソールを作られています。クッション性が高くて足の返りも良く、床が濡れていたりツルンとしている場所でも滑りにくい点も魅力です。

コンフォートサンダルのような楽さがあるのにカジュアルになりすぎず、そのうえ、サンダルにまつわるお悩みも解決してくれるものは、なかなか出会えません。
この夏のお出かけや旅行の際の足元を大人っぽく仕上げてくれる一足だと思います。

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