やや厚めの取っ手、真ん中が少し凹んでいます。

実はこのちょっとしたことで、とっても持ちやすくなります。親指の腹がこの凹みにおさまることで取っ手を持つ手も滑らずにしっかりと持つことができます。

触るとザラザラしていますが、その質感も含めて楽しんでいただけたらと思います。

とっても不思議な技法です。
形を作った土の上に、泥状にした白い土を塗ります。そのあと乾燥させ、素焼きにして土の水分を抜くのですが、その時に、形を作った土と、白い土とでは縮む率が違うため、上に塗った白い土にヒビが入ります。これは、通常の陶芸では失敗作となります。

ですが、梅花皮の面白いところは、この偶然が面白い、美しいという古人の目利き達がいたことです。
そして職人たちによって、偶然をコントロールしてその縮れのヒビをテクスチャーのひとつとして作り上げたのです。梅花皮を作っている工房は日本でもそう多くはありません。

マットな黒は「サビ巻き」という作業を素焼きの後に施すことで出来上がります。
よく見ると、かいらぎの縮れが黒の中にしっかり入っています。この真っ黒な中に見える細かい縮れが、なんとも言えずかっこいいのです。

全体的に白っぽくなったり、サビの茶色が濃く出たりと、ひとつひとつ仕上がりの色味などが異なります。
また、お使いいただく時間や内容、お手入れの仕方などで、更に様々な経年変化をしていきます。味が出て渋くなっていきますので、ぜひ恐れずにどんどん使っていただければと思います。

煤のように真っ黒なその色からsusuという名前をつけました。一部サビを少し落として下地の土色を出しています。そのことで真っ黒の中に、リズムのような表情が生まれます。

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