ねこ好きスタッフが多いオルネ ド フォイユでゆるりと活動している「オルネコ部」。オルネコ部員は、日々ねことの気まぐれで穏やかな暮らしを妄想中です。
ねこの生活用品は、
インテリアに馴染むように取り入れたい。
ねこが快適に過ごせるような家づくりとは?
そんな疑問を解消するべく、Instagramでねことの素敵な暮らしを日々発信されている方々を取材しました!
インタビュアーは、オルネコ部 新入部員の木邑(きむら)です。
取材を通して見えてきた、ねこも人間も心地よく暮らすヒントとは。全3回でお届けします。
第1回は「木登りできるお家」です。
DIYで日々変化するyomegさん(@marguerite289)のお家を取材しました。
yomegさんのお家は、築50年を超える賃貸の古民家。人間4人、ねこ4匹、犬1匹の大家族です。人間よりも動物が多いyomegさんのお家で一緒に暮らす動物たちを紹介します。
ねこ4匹はみんな女の子。アオとハルは姉妹で、知り合いから譲り受けました。アオは社交的だけれど怒りんぼで、かわいい声でいつも何かに怒っているのだとか。ハルは穏やかで、撫でてもらうのが大好き。誰にでもお腹を見せてくれて、犬っぽい性格だそう。姉妹でも性格が全く異なります。
マリオとメイはyomegさんが保護したねこ。マリオは一番最近やってきました。耳元の毛がもじゃっとしているのがチャームポイントで、愛称は「もじゃみ」です。メイは引っ込み思案な性格ですが、マリオの先輩としてねこ社会について教えてあげているそうですよ。
保護したねこが一時的に暮らすこともあるyomegさんのお家。新入りの子が来たときは、人間はあまり手出しせず、ねこ同士で関係性を築いてもらっているそうです。ねこたちは、ほかのねこに叱られることでねこ社会のルールを学び、お互いの関係を深めていきます。
レイルはゴールデンレトリバーの男の子。とっても優しくフレンドリーな性格です。いちばん大きくて力もあるはずなのに、家族の中でいちばん弱いのだとか。こねこが来ても、自ら服従するというレイル。人間に換算するともうシニアですが、いつまでも少年の心を忘れないレイルは、みんなの人気者です。
種は違えど、動物たちはとっても仲良し。
「人間がねこを撫でる暇がないときは、アオとハルはレイルに毛繕いしてもらっています。なめ回されて、ずぶ濡れになったねこが2匹出来上がるので困っているのですが(笑)」
yomegさんはみんなの性格や行動の特徴をよく理解していて、動物が本当にお好きだということが伝わってきました。
転勤族で何度も引っ越しをしてきたyomegさん。今のお家は昨年から住み始めました。
「この家は、最初は住むイメージが湧かなかったんです。間取りも6DKでヘンテコだし、物件サイトの写真からはあまり良さが伝わってきませんでした。ただ、立地が良かったのでとりあえず見にいこうという気持ちで内見したらびっくり。家の中に入る前から『ここだ!』と思えるほど雰囲気が良かったんです。それで借りることに決めました」
実はDIY可ではありませんでしたが、のちに大家さんがDIY好きであることが分かり、相談したら快くOKしてもらえたのだそう。嬉しい誤算続きで、yomegさんは存分にDIYを楽しめることになりました。大家さんは動物も好きで、10匹くらいまでなら飼ってもいいよと言ってくれているそうです。
築50年を超える古民家は、DIYにより日々変化し続けています。家族の人数に対して少し狭めのリビングスペースは、障子を半透明にしたり、壁や天井を白くしたりすることで開放感を持たせました。
ほかにも、壁の一部をくり抜いて家の中に窓を作ったり、鏡を置いたりすることで広く見えるよう工夫しています。
本棚の上にある窓は、壁をくり抜いて作ったもの。
ここ10年でご主人が腕を上げて、こちらの窓もあっという間に出来上がったそうです。
子どもの頃から何かを作ったり、お小遣いで雑貨を買って飾ったりすることが好きで、心地よい空間作りを自然と行ってきたyomegさん。それが今の暮らしにつながっています。
家中のあらゆる場所を改装していますが、持っている工具はそんなに多くないのだとか。材料も特別なものは使わず、ホームセンターで手に入れられるものを中心に選んでいます。
「今の家にぴったり合うように家具を揃えても、いずれ引っ越すので、結局合わなくなってしまう。そのためDIYは後でバラして再利用できるように作ることを心がけています。荷物が増えすぎないよう、工具類も最低限のものを揃えています」
また、購入する家具は古いものが多いのだそう。キッチンの食器棚は、もともとたばこ屋さんのショーケースだったもの。10年以上前に購入して以来ずっと使い続けています。
青いタイルが素敵な食器棚。丁寧に使われてきたのが分かります。
古いものを選んだり、ご自身で家具を作ったり、yomegさんは物の新しい使い道を見出すのがとっても上手です。
ねこと暮らすうえで、DIYする時に気をつけているのは、動線を考えること。ねこは家中を自由自在に移動するため、ドアを閉めていてもリビングと2階を行き来できるよう、ねこドアを設置しました。
「動物たちのためにDIYをしているわけではありませんが、家を改装するときは、ねこが色々な場所に行けるように通路を作ってあげることを意識しています。そうすれば、自分たちで快適な場所を勝手に見つけてくれるので」
リビングをぐるりと取り囲むキャットウォークは、高いところが好きなねこたちのお気に入り。こちらも、ホームセンターで手軽に購入できる木材を使用しています。
キャットウォークへ登るために枝を取り付けるという斬新なアイディアは、海の近くに住んでいた時に生まれました。もともと海辺で見つけた巨大な流木を使っていたそうですが、その後マンションに引っ越した際に、流木がマンションの雰囲気に合わなかったため、新しい枝を探すことに。レイルのお散歩コースでちょうどいい倒木を見つけ、ご主人と2人で拾いにいったそうですよ。木登り枝はしっかりとネジで固定されているので、ねこが勢いよく登っても問題ありません。
夏のお気に入りは、クローゼットに置いた「こね鉢」。yomegさんはこね鉢が好きで、カゴ代わりにパジャマを入れたり、物を飾ったりするのに使っていたそうですが、今はすっかりねこ用と化しました。冷んやりして気持ちいいのか、夏の夜はここで寝ることが多いそうです。
ねこ用のものでなくても、いつの間にかねこが使っていることってありますよね。こね鉢も思いがけずねこベッドになったそうですが、形状や大きさがぴったりで、まるでねこのために用意されたものかと思うほど。
なんとなく動物モチーフのものを集めてしまうというyomegさん。アオとハルが茶トラねこなので、茶トラっぽいねこ雑貨が多いのだとか。うちの子みたい!と思うとつい手が伸びますよね。
お家の動物雑貨コーナー。毛繕いしているねこの花器は、クマゲラ工房のもの。
作家さんが実際に飼っている茶トラにゃんこがモチーフだそうです。
玄関の隣にあるスペースには、リビングとは雰囲気の異なる素敵な飾り棚。ここにも動物モチーフがちらり。
「海の近くに住んでいたときに拾った石などを置いています。ただ並べただけなのですが、朽ちたものだけまとめたら静謐な雰囲気になりました。なるべくねこに触ってほしくないものをここに飾っています」
細々とした物が並んでいてねこが落としてしまうのではないかと心配になりますが、この棚は各段が狭く、周囲に飛び乗るためのステップもないため、いちばん下の段にしか入れないのだとか。
ねこって、テーブルの上に置いてあるものをちょいちょいして落としがちですよね。それが理由で好きなものを飾れないと諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。yomegさんの飾り棚はそんな人にも参考になりますね。
動物が人間よりも多いyomegさんのお家。実際にお話を伺ってわかったことは、犬やねこも人間と同じ家族の一員として平等に暮らすことで、人間と動物がゆるやかで自然体な関係性を築いているということです。「好き」が詰まった秘密基地のような空間で、今日も動物たちはお気に入りの場所を見つけてのびやかに暮らしていることでしょう。
yomegさんのお家はこれからも変化し続けます。
マリオには、少し変わったマイブームがあります。それは、レイルのお尻に頭を埋めること。この状態で寝ることがよくあるそうです。ほかにも、レイルの背中に登っていったり、レイルの上でふみふみしたり。優しい性格で滅多に鳴かないレイルも、マリオのこうした行動は迷惑に思っているのか、たまにワン!というのだそう。
動物には「社会化期」と呼ばれる特別な時期があり、この時期に一緒に過ごした動物は、犬やねこといった種を問わず、仲間として認識します。ねこの社会化期は生後およそ4〜8週間。まだ幼いマリオにとっては、レイルも自分と同じ仲間。ふわふわであたたかいお母さんのような存在なのかもしれません。
(こちらは2022年の取材記事です)
オルネコ
オルネ ド フォイユのネコ好きスタッフが集まり、2019年にスタートしたキャットアイテムブランド。インテリアに馴染むアイテムを中心に、オルネコ部員の “こんなのあったらいいな” を商品化しています。
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Orné de Feuilles (オルネ ド フォイユ)は、フランス、ヨーロッパを中心に国内外のインテリアアイテムを扱うお店です。
2004年2月青山にオープン、そして2019年3月に現在の不動前とい...もっと見る