2023年2月末日、カタカナの4人娘は『福岡』へ社員研修へいってきました!
いつもはカタカナの代表河野が全国各地を訪ねてつくり手の話をきく『さがしモノの旅』ですが、
先日河野より「みんなにもつくり手の話をきいて、産地を見てきてほしいんだよなあ」
と実現したのがこの『カタカナ社員研修』。
九州の筑後地方・織物の産地を2日間で巡る贅沢な研修です。
1日目は、うなぎの寝床の池田さんが、私達の為にお忙しい中、アテンドくださることに。
池田さん、本当にありがとうございます。
それでは、私達にとって夢の『社員研修』のはじまりです。
ドキドキ、ワクワク…!
福岡空港に到着すると、池田さんがあたたかく、お迎えくださいました。
まずは、福岡空港から車で約1時間。
うなぎの寝床 久留米絣のもんぺの織元のひとつ『下川織物』さんに到着しました。
梅が美しく咲き誇る路地を抜けると、久留米かすり『下川織物』の看板を発見!
中に入ると、そこはまるで、久留米絣のミュージアム。
どこを見ても久留米絣で一同大興奮!
玄関を入って、
久留米絣のテキスタイルパネルに平岡さん、「かわいいー!」と釘付けです。
△1930年に誕生した『下川織物』さんの久留米絣が年代別に紹介されていました。
こちらでは、池田さんが久留米絣について、製法や特徴を丁寧に紹介くださいました。
『久留米絣』は、福岡筑後地方で200年以上つくられる、先染めの綿織物です。
特徴は、『括り(くくり)』とよばれる技法で染め分けて、様々な模様を表現していること。
織る前の糸を括って・染めて・解いて、白く残ったところが柄になるという技法で、独特のかすりを表現しています。
経(たて)糸を染め分けるのか、緯(よこ)糸を染め分けるのか、
先染めした単色の糸を使うのかなどで、
無地、縞、チェック、たて絣、よこ絣、たてよこ絣、などの様々な種類の模様ができあがるのです。
▲「これはたて絣、よこ絣、たてよこ絣かわかる?」とクイズがはじまる。
久留米絣をつくる工程は大変細かく、生地になるまで、なんと30以上の工程が必要になります。
最後に、今も久留米絣がこうして残り続けている理由の1つでもある『気遣い』のことを教えてくださいました。
久留米絣は、分業制でつくられているのですが、常に次の作業の方がやりやすいように考えられたものづくりをしています。
たとえば、こちらの括りの作業。
巻く糸は一方方向で巻くと、ほどく時に絡まる原因に。
あえて、右巻きと左巻きを交互に巻いていくことで、ほどきやすくなるのです。
先人から受け継がれたやさしいものづくりは、今もしっかり久留米絣に生きています。
『いいものをつくりたい』という思いをひとつに、
自分の仕事だけではなく、周りの人の為に考えて作業すること。
素晴らしいものづくりの姿勢に脱帽です。
建物をでて、続いて向かったのが『下川織物』さんの心臓部。久留米絣の生地をつくる工房です。
ついに、久留米絣をつくる現場が見られる!とあってキラキラした目の野田さん。全身からワクワクが溢れます。
工房内は下川織物の社長 下川さんにご案内いただきました。
中に入ると、ブォンブォンの大きなエンジン音、
織り機のシャンシャン!というリズミカルな音が混じり合った大きな音が、建物全体に響き渡っていました。
60年以上前から使うシャトル織機がずらりと並んだ姿は、迫力満点!
シャトル織機が、まるで生きているかのように、わっせわっせと一生懸命動いている姿にしばらく目が離せませんでした。
織り機は、現在製造中止になってしまったものも多く、メンテナンスをしながら大事に使い続けているのだそう。
現代の織機と比べると織る速度はゆっくりのシャトル織機。
ゆっくりと織るからこそ、糸に必要以上の負荷がかからず、手織りに近い、やわらかで丈夫な生地ができあがります。
だから、履いたときの気持ちよさが、格別なのです!
▲いちど織って染めた生地をほどき、絣の柄をつくる『文人絣』用の織り機。
そして、久留米絣の魅力でもある、絣のゆらぎ。
実は人の手で、絶妙にバランスを取りながら調節してつくられます。
機械的ではない、手書き線のようは味わい深さがたまりません…
人の手と織り機が生み出す、心地のいいあたたかさに、どこかほっとする。
久留米絣の魅力に、ますます虜になってしまいました。
まだまだ、ずっと見ていたい…という気持ちを抑え、下川織物さんを後にします。
下川社長、下川織物の皆さん、ありがとうございました!(書き手:脇田)
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