さがしモノ旅 和歌山 kitt編「日本の良いものが消えていく」
カタカナ河野による「さがしモノ旅 和歌山 kitt編」。
今日は前回の投稿の続きのお話です。
昨年のイベント開催直前に、「このスウェットを作る紡績会社が工場を閉鎖する」と連絡が有田さんに入りました。
「なんとかこの商品を継続できるように奔走したいと思います!でも、カタカナさんでやってくれるようなイベントは、これで最後になるかもしれません」
その春のイベントは、在庫が潤沢では無かったにもかかわらず、今までで一番多くのお客様にお買い上げいただきました。
いつかまた、あのフワフワなスウェットを紹介したいね。
有田さんと約束してイベントは終了しました。
数か月たったある日。有田さんからのメールをあけると、
「見て欲しいモノがあります」
商談は以前と同じ、店の隣のガレージです。
有田さんのカバンから出てきたのは、2枚のスウェット。
「以前のモノと比べて下さい」
僕は目を閉じて、スウェットを手に取ります。
利き酒ならぬ、利きスウェット。
「んんっ?」どちらも以前のフワフワなスエットと同じ感触なのです。
目を開けて、生地をよく見るとほんのり裏毛の色がちがいました。その他は本当に今までのモノと変わらない。
なんで、ここまでクオリティの高いモノが出来たのだろう?
有田さんを見ると、安堵した表情のあとにニヤリと笑いました。
「実は、このスウェットは糸も大事だったのですが、このフワフワもっちり感を出すには、編みが一番大事だったのです」
今まで特殊な糸から生まれるスウェットと思っていたのですが、
なんと!このスウェットは特別な編立によって出来上がっていたのか!!
2024/11/11