京都の御所と鴨川の間、古いビルの3階に小さなお店があります。オリジナル製品を作りながら、セレクトのもの、服なども扱っています。
ほとんどが長く扱い続けている定番品で、品物の入れ替えと変化が少ないです。一品目あたり多くても数種類というような狭い品揃えですが、時間をかけて素材と作り手が少しずつ増えてきました。そのため今は一見セレクトショップのようにも見えますが、"一人メーカー"というのが実際の姿に近いように思っています。色々な作り手と共に、素材の学びと実験を重ねながら、試作と試用を繰り返しています。
PINTは2012年にスタートしました。東京にいた最初の7年間は、リネン、木と竹、漆素材から始まり、小売店やホテルの別注オリジナルの企画製作をメインにしながら、イベントやweb販売を始めました。その後京都に来てからお店をつくって、衣類や新しい作り手との取組みも増えました。
私自身は、手を動かして何も作れません。また機会を改めて紹介したいと思いますが、「現代の民具」というコンセプトと「みんなのどうぐ」というメインプロジェクトがあり、これらに焦点を絞って、作り手たちと一緒に取組みを続けています。
売るためでも見せるためでもない、自らが日々使うもの。古い民族資料館にあるような、自らが生活のために作り使っていた道具。静かに、強く美しいもの。これを民具とし、この現代版を作りたいです。素材と製法を考え、流通や販売に係る比重はできるだけなくして、ものとしての純度と強度を高めたいと思っています。
PINTの視点で考えた、そういうものをたくさん揃えています。
オリジナルは、目立つロゴマークや、梱包目的以外のパッケージなどはありません。素材は最良か最適、シンプルで強い構造、作りは良く丁寧に。取扱い易さのみを優先したコーティング加工等はしません。
見てくださったり選んでくださる方にとって、素材や作り方に対して新しい発見があったり、知的な刺激があることが一番嬉しいことです。リネンや木、漆器、どの素材でも、初めて使う人の入り口となるような、扉を開ける役割になれたらと思います。
店頭で詳しくお伝えすることも大好きですが、買い物で手にしたものを通じて、そういった発見や新しい世界が広がることは、最も自然で、理想でもあると思っています。このキナリノでも、そんな新しい出会いが生まれますように。
これから、どうぞよろしくお願いします。
PINT 中地(なかち)
ストア紹介
PINT
使うものとして心地良いこと。使う度に楽しいこと。日々たくさん使えること。「現代の民具」というコンセプトで、オリジナル製品を中心に、天然素材の良さをそのまま活かしたものを揃えています。可能な限り日本の素材を...もっと見る