こんにちは。デザイナーのエンドウです。
今年の1月、インドのKhadi(カディ)づくりがおこなわれている村へ行ってきました。
手紡ぎ・手織りのカディは、sisamでも年々ファンが増え続けている特別なものづくりです。
カディの村へはとてもローカルな田舎道をどんどん進んで行きます。
舗装されていないような道、すれ違うのも大変な道です。
道中の景色は田んぼが広がっていたり、バナナの木が道沿いに並んでいたり。
時々現れる村では、人々がサラスバティプジャ(インドのお祭り)を行い、にぎわっていました。
いたるところに電飾の輝くプジャプレイスがあり、爆音でサラスバティのお祈りの音楽が流れています。
牛、やぎ、にわとり、ひよこが、道にいて、なかなか車が進めない…。
昔は日本の田舎でも見たような、ひよこがウロウロしている様子や、家の周りをトコトコ歩くこやぎたちに目を奪われます。
牛糞燃料も至るところに壁で作られています。
乾燥するまで壁にくっつけて、炊事やお祭りなどの日常に根付いた燃料がわりになるのです。
カディの村は一つの大迷路のような可愛い村。
女性たちがプジャのお供えを頭や手に乗せて歩いています。
お年寄りも玄関に座ってのんびり。
カディマスターたちが集結して出迎えてくれました。
到着したのが日暮れ前だったので、急いで現場を訪問することに。
まずはドラミングをしている家へ。
ドラミングとは大きな車輪のようなものに手紡ぎの経糸を巻き取って、絡まらないように張るという準備工程の一つです。
そこに現れた女性が、あれ?何か見覚えがあると思ったら、以前にインタビューに答えてくださった女性でした!
Kavita Guimさんはドラミングの行程を担当してくれているそうです。
インタビューの時はカディのオーダーは減っているので、もともとKhadi生産に従事していた人も、仕事を変えたりと、あまり明るくない未来というイメージでした。
しかし今回出会って、会話こそはほとんどできませんでしたが、にこやかにお元気そうに暮らしている姿を見て、とても前向きな印象があり、ほっとしました。
次は、経糸の準備をしている場所に連れて行ってくれました。
薄暗い部屋の床で、経糸を上下に動かして緯糸を通す隙間をつくるための綜絖に一本一本糸を通す作業が行われていました。
これは本当に細かい作業…!
布を織るということにこんなにも工程があるということを見せつけられ、気が遠くなりそうです。
もう空の色が夕焼け色になりかけていました。
最後は、織りの行程です。
薄暗く、ひんやりした狭い部屋で、男性が織り機を動かしていました。
リズムよく手織りされる糸は本当に繊細です。
この織り手さんの手加減から美しいカディの生地が生まれます。
いよいようす暗くなりはじめ、さあ、みんなで、サラスバティの女神像の前で記念撮影をして帰りましょうと外に出ると、 村人たちもサラスバティプジャの電飾を楽しみに集まっていました。
今回の訪問で、この村にはカディに従事している人々がいて、出稼ぎをしなくてもここで仕事をできるという、 かけがえのない営みの一部を見ることができました。
もしもカディづくりを同じ行程で日本でやってみるとしたら、とてつもないコストと時間がかかるでしょう。
これほどまでに人の力をかけて、わざわざ"手で作る"ほうを選んでいることが、今の時代の中で大切な価値を持っているように思うのです。
この村で静かに繰り返されてきたこの営みが消えてしまうことのないように。
今後もカディをオーダーし続けることで、お互いに支え合っていきたいと強く感じます。
デザイナー・エンドウ
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