「旅する色」スタッフの旅にまつわるエピソードも残り5回となりました!今回はミシン担当大井の広州グルメ旅です。見ているだけでお腹がなってしまいそうな食の数々と、何やら怪しげな雰囲気の街並み。広州のじめっとした空気を肌に感じるような臨場感あふれるエピソードに思わず引き込まれます!
ミシン担当:大井
広州を選んだ理由
昨年のゴールデンウィークのことです。本当は、大学の文化人類学の授業で知って以来、ずっと憧れていた雲南省に行きたかったこの中国旅。ですが、短い旅程を最大限に楽しむため、日本からの直行便がある広州に急遽行き先を変更したのでした。行き先を決めてから広州について調べ始めましたが、すぐにそこが最高のグルメ都市であることを知ります。一緒に行った友達とは、会えば中華、とりあえず中華、というような中華友達でしたので、期待は高まる一方。『食は広州に在り』を読んだりして、各自気分を高めて当日を迎えました。基本的にはノープランの4泊5日。
この旅最大の思い出
5時間くらいのフライトでしたが、予想以上にサクッと目的地に着きました。空港からタクシーに乗り、初日の宿に到着。広州に着いて早々、ここでこの旅最大のハプニングが発生します。宿だけは事前にネット予約をしていたのですが、何かの手違いでキャンセル扱いになっていたことをホステルの受付で知ったのです。
深夜1時過ぎ、異国の地の路上に放り出された時は、野宿も覚悟しました。軒下に放置された雀卓、薄暗い路地を行く公安バイク、そして日本の5月とは違う、じめーっと肌にまとわりつく嫌な湿気。どれも不安を煽ってくるようで、本当に怖かった。それと同時に、まるで『深夜特急』の世界に入り込んだかのようで、とても興奮したのは確かです。友よ、ごめんね。と、この一件だけで広州旅を語り尽くせるほどの旅行記を書けますが、"チャイナグリーン"の由来が登場しないまま終わってしまいますので、泣く泣く割愛します(その日は無事に野宿回避できました)。
チャイナグリーンの由来
この色そのものは中国の郵便ポストから取っています。広州の街に馴染む渋い緑色が素敵で、写真に残してありました。
そして、広州=グリーンの理由はもう一つ。旅の目的、広東料理の中でとりわけ楽しみにしていたのが、腸粉と呼ばれる米粉の皮で具を包んだ蒸し料理。けれど一番感動したのは、その横に添えてあった青菜。油通しをしてあるからなのか、これが本当に美味しくて、食事の度に青菜だけを注文していました。市場で見かけた青々した中国野菜の印象も相まって、このカラーハント企画が始まった時に、すぐにぼんやりと広州の街とグリーンが頭に思い浮かびました。
卸市場の街、広州
広州は、メイドインチャイナの集合地になっていて、様々な卸売市場があると知りました。そこで私たちが向かった市場は二つ。一つは合羽橋のような調理器具やテーブルウェアの、もう一つは中国茶の市場でした。お茶市場では、とことん試飲を繰り返し、気に入ったお茶を爆買い。どこも圧倒的な物量で、気力体力ともに凄まじく消耗する場所でした。
そんな広州の市場体験で最も強烈だったのは、最終日。ナイトクルーズで広州の夜景を楽しむことにした私たちは、出港までの待ち時間にどういうわけか電子機器の市場に迷い込みます。行けども行けどもチカチカの電飾と、訳のわからない怪しい基盤の山…。旅のクライマックスに相応しい疲労感と、それにとどめを刺すようなカオスな状況に友達と爆笑しました。
グルメ旅の楽しみ方
広州旅を経て気付いたことがあります。それは、グルメ旅は好きな人と一緒に行くに限る!ということ。好きな人たちと「美味しいね〜」と言い合い、何倍にも美味しくなったお料理をいただくことこの上無し。断然一人旅派だった私にとっては大きな気付きでした。思えば、一人旅の場合、何か美味しいものを食べた時、あぁこれは誰々にも食べさせてあげたいなぁとか、そんなことばっかり考えているのです。まぁそうやって、ああだこうだと頭の中でずーっと独り言を言い続けることもまた、一人旅の醍醐味だと思いますが。
おまけ 〜リトルチャイナで再集合〜
広州で体験した中国の素晴らしい食文化を忘れることができず、私たちはあまり日を空けずに日本のリトルチャイナこと西川口で再集合しました。横浜中華街とはまた違う現地感に浸りながらみんなで食べた鍋。これもまた最高だったなぁ。飛行機に乗らなくても、案外近くに「海外」はあるようです。
次回予告
ミュージアム・ピンク 飯野編 8月12日(水)
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