福岡で、在来種の野菜、種取り農家さんや有機農家さんの野菜を扱う、金子商店さん。くらすことのカフェで調理に使う野菜を仕入れさせていただいたり、店舗で定期的に野菜の販売をしていただいています。
ただいま金子商店さんの「お野菜セット」を販売中。
九州の農家さんが育てる野菜を中心に、その時期に収穫される8〜9種類の野菜を詰め合わせてお届けします。
それにあわせて、お野菜を使ったおいしいレシピや金子商店さんについてご紹介。
在来種野菜って何?
普段何気なくスーパーで買っている野菜、そのほとんどは、大量生産に都合がいいように品種改良されたF1種。F1種は、1度収穫したらそこまでで、農家は種を買い続けなければいけません。それに対して、昔から種をつなぎ、受け継がれてきた野菜を、在来種、古来種野菜といいます。
多種多様な形、味わいを持つ在来種、古来種の野菜は、種をつないでいかなければ、そこで途絶えてしまいます。その存在をまず知る。育てている人たちのことを知る。そして何より、おいしく食べることが、この豊かでおいしい野菜を次の世代へと届ける一助となります。
金子商店の活動や在来種野菜について
Q.金子商店を始められた経緯を教えてください。
島原半島の田舎出身で、山も海もすぐ近くにあり、常に新鮮なものが食べられる環境で育ちました。様々な職を経て、さて、何をしようかと考えた時に野菜の作り手か売り手になるかで迷ったのですが、現状、農家さんが野菜をこだわって作っても、市場などに出すとなかなかちゃんと評価されない。どんな思いをもって農家さんが作っているのか、きちんと伝えられたらなと思って、八百屋になることにしました。
Q.取り扱う野菜の基準は?
その野菜がおいしいのはもちろんなんですが、作っている人と会って、その人を応援したいとおもうかどうかが一番大きいです。
具体的な基準としては、できれば無農薬のもの。肥料も、なるべく自分で作ったぼかしなど、植物系のものをとおもっていますが、減農薬のものも中にはあります。種採りの在来種の野菜も多くあります。
そもそも、種採り野菜って何?
現在、日本で流通する種、野菜のほとんどは、消費者の嗜好や流通、大量生産に都合がいいように品種改良された、F1種がほとんど。収穫は一度だけの1代限りで終わるF1種の特性から、種を採取しても、その野菜のもつ特性は引き継がれず、農家さんは種を買い続けないといけません。昔ながらの在来種、古来種は、種をつないでいかなければそこで終わり。在来種は、ひとの手から手へ、長い年月をかけ種を受け継ぎ、大根一つをとっても、日本には100種類にも及ぶ種類の大根があると言われます。そのひとつひとつにはいろいろな色や形、多種多様な甘みや苦味など、奥深い味わいがあり、食卓にのぼるさまざまな野菜を通し、わたしたちは複雑で豊かな味覚を得てきたのですが、そんな野菜たちが、日々の食卓にのぼることは、年々、難しくなってきているのが現状です。
Q.お店にはどんな食材が並びますか?
野菜、果物、天然の山菜やきのこ。塩、オリーブオイル、お味噌などです。
Q.作り手の農家側に、歩み寄った八百屋。
九州では、大きな台風などが最近続いていますが、例えば、大雨のあとなど、ネギなんかは倒れてダメになっている場合が多いんですが、そういうことも理解して、発注をする。生産者にかなり歩み寄った八百屋だと思いますね。
最近、天然のきのこなどにも力を入れていて、山に入る人が年々少なくなっているんです。
当たり前ですが、天然のものは自然環境に左右されるので、天候や自然のことを理解しないといけないし、それを理解した上で仕入れる八百屋がいないと続いていかない。
食べてくれる人たちが、そういうことも理解して食べてくれると、さらに良い循環ができるんじゃないかなって思います。
Q.長崎・雲仙の種採り名人、岩崎政利さんのお野菜もお取り扱いされているようですが。
岩崎さんのところの種採りの勉強会に参加しています。
収穫や農作業の手伝いなどして種採りについて学ぶんですが、技術的なことは、数回足を運べば理解できる。
ただ、作業の合間に、長年、種採りをしてきたひとにしわからない哲学的なことを、
ポロっと話しをしてくれるんです。
仰々しく勉強ということではなくて、そんな言葉を、ちゃんと聞いておきたいと思っています。
にんじんとごぼうをつかったおすすめレシピ
にんじん、ごぼう、ナッツのかき揚げ
【材料】
・⼈参…250g
・ごぼう…250g
・お好みのナッツ…50g(カシューナッツ、かぼちゃの種、アーモンドなど)
・塩…2つまみ
・薄⼒粉…140g
・クミン、コリアンダーパウダー…各1g クミンシード…1g
・⿊胡椒…少々
・冷⽔…140ml〜適宜
【作り⽅】
①ごぼう、⼈参は、8cm程度の⻑さの短冊切りにする。ナッツは細かく刻むか、適度な⼤きさに割っておく。
②ボウルに①と薄⼒粉を加えて全体に絡め、塩を加えてさらにあえる。
③冷⽔(氷⽔)を2に加えながら全体をまとめる。
④一口大にまとめながら、揚げ油(170度)に入れていく。30秒ほど動かさずそのままにし、裏返す。3〜4分、表面がカリッとなるようしっかり揚げる。
⑤お好みで、塩をかける。
ストア紹介
くらすこと
わたし自身のものさしを見つける、くらすこと。
使い続け暮らしに根づくことで、生活にふくよかな豊かさを与えてくれるものや幸せな気持ちになるもの。
そんな暮らしまわりの雑貨や洋服、台所道具、自分たちが...もっと見る