雪景色がとても美しい絵本。躍動する動物たちの楽しいお話
寒い雪の日。散歩にでかけたゆきちゃんは、雪が自分と同じ名前なのを不思議に思って、森で出会う動物たちに尋ねてまわります。「わたし ゆきちゃん ゆきと おなじ なまえなの なんでか しってる?」
動物たちはそれぞれ思い思いに考えて、「わかった ◯◯だから」と素敵に答えてくれます。その答えが自由で優しくて、思わずにっこり。ゆきちゃんも動物たちも、お互いに褒めあって嬉しくなって、毎回はしゃいで遊んでしまう展開がなんともかわいい。
リズミカルな繰り返しのお話は、声に出して読むと楽しさ倍増。子どもも大人も、ゆきちゃんたちと一緒に嬉しくなってはしゃいでしまいそうな、躍動感のあるお話です。
お話の楽しさも魅力ですが、入荷して初めて手に取ったとき、「なんてきれいな本なんだろう」と驚きました。白色のみで雪を描く絵本が多いなか、一面に広がる雪景色が銀色で表現され、ゆきちゃんの目には美しい青色。首輪には赤色が効果的に使われ、途中で出会う動物たちもそれぞれに印象的な目の色があしらわれています。雪がしんしんと降り積もっていくなか、ゆきちゃんと動物たちの目だけが輝きを増していくかのように色づいていて、それがとても印象的。特に、みんなできらきらと帰っていく場面では、雪の楽しさや友だちといる嬉しさ、生きる喜びのようなものがページに満ちていて、生命の躍動すら感じるほどの美しいページになっています。一面銀世界の雪山模様のページと併せて、何度も開いて見たくなってしまうほど、きれいな絵本です。
タイトル文字も少しポコっと盛り上がっていて、背表紙はゆきちゃんの目の色と同じ青色。表紙の裏や中表紙にもいろんなしぐさのゆきちゃんが線画で描かれています。どこまでも丁寧なこだわりの装丁は、手に取るだけで嬉しい気持ちに。
ちいさな子どもはもちろん、ネコ好きのかたや、きれいなものが好きな大人にも。プレゼントにもぴったりな、冬に読みたい特別な1冊です。
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