ミニマムな牛本革の封筒型ケースシリーズに、財布が加わりました。
このカードケースを作っているうち、小銭も少し入れば財布一つに全て収まるかなと思い、仕切りやマチを付けて、たくさんの試作を重ねました。数年間、調整を繰り返し使いつつ、10回以上バージョンアップしながら実店舗のみで販売をしてきましたが、やっと仕様が固まりました。
生まれたこのきっかけの通り、コンパクトなミニマムウォレットです。
コンパクトな財布は形も様々ありますが、封筒型のミニマムカードケースから考えて0から作ったので、内部など、他にない独特な仕様になっています。
一番のこだわりは、動きが一方向だけで済むということ。封筒型のかたちのままですので、蓋を開けて、上から出し入れするだけです。個人的な好みですが、財布を使うときに縦横いろんな方向の開け閉めや動きがあるのが、とてもストレスに感じていました。向きを変えたり、小銭が落ちないように気を遣う必要もないので、一方向だけの動きにしたくて作りました。
ミニマムレザーケースMの高さを少し低くして、内側に仕切りを作り、マチをつけた形になります。
大きさは、紙幣を二つ折りにして入れられる最小限サイズです。二つ折りであれば、出し入れも簡単です。マチをつけて、小銭も入るように。
内側には仕切りを付けています。
高さを変えた仕切りが2つと、底面のみ縫製したベロのような仕切りが1つ。4つのスペースができます。
コンセプトはミニマムな財布なので、小銭もカードもあまり持ち運びたくないというのが前提。とはいえ、どうしてもお釣りで小銭ができたり、領収書などを受け取ることも。
そのため、小銭専用のポケットなどではなく、どのスペースに何を入れても良いような作りにしています。
実際に、使っている方に見せていただくと、皆さん入れる場所が見事にばらばらです。カードが多い人もいれば、領収書を財布に入れておく人、小銭も多めな人など、中身の種類と量に合わせて自由に使ってくださっています。
下の写真は、店主個人の使い方です。あくまで一例としてご覧ください。
4つのスペースのうち、
▼一番奥
深い仕切りになっています。出し入れを頻繁にはしないものなど。
交通系のICカードなどの非接触型カードを入れています。名刺や、お店で小さな紙の券などをもらった時に、一緒に入れています。
▼奥から二番目
手前の仕切りだけ少し低くなっています。中身が見えて出し入れもしやすく、マチが干渉しないスペースのため、紙もきれいに入れられます。
二つ折りにして紙幣を入れています。(違う配置のときは、ここに鍵を入れることも)
▼手前から二番目
マチがあるスペース。ベロが下から出て仕切りになっています。少し独特な形なので、使い慣れないかもしれませんが、革が柔らかい特徴を活かし、マチ幅の中でベロを動かせるようにするため、あえて位置を決めず少し動きに遊びがある仕様になっています。マチ部分なので出し入れがしやすいので、頻繁に使うものを。
クレジットカードなど、カードを数枚。領収書なども入れています。
▼一番手前
マチがあるスペース。手前から二番目と、ベロで区切られています。ベロをどちらかに寄せて、調整してお使いください。
小銭を入れています。
ごくシンプルな形ならではの使いやすさと、自由な使い方ができる財布になりました。
レザーケースシリーズ4サイズを作った後に、この財布ができました。このレザーケースシリーズは、この牛革の素材がとても良くて、素材が出発点となって生まれました。財布は一番頻繁に使う道具なので、風合いがどんどん育つのを楽しんでいただけます。艶が出てきて、表情豊かに育ってゆきます。
PINTレザーシリーズの最初の製品、封筒型のレザーケース。このケースに、マチと仕切りを付けたのがミニマムウォレットです。
シンプルな構造で、1枚の革を折り、縫製して作っています。パーツもホックの留め部分だけが内側に出ているだけです。ホックも、厚みを抑えた薄いものを使っています。そのため、重量も軽く、仕切りもなく最小限の構造で余分なスペースもないため、自由に使っていただけます。
ミニマムでシンプルな形ですが、使うほどに革の素材感が楽しめるレザーケースです。
4種類あります。
XS:キーケース
S:カード・名刺入れ
M:カード・お札入れ(二つ折り)
L:お札入れ
入れるものの目安とイメージを書いていますが、自由にお使いください。ミニマムウォレットと違ってマチはないので、厚みのあるものを入れるのには向いていません。
PINTのレザー製品はほぼ全て、この革を使っています。
レザーシリーズを始めたとき、縫製を依頼している東京都浅草の皮革製品の職人と一緒に革を探すところからスタートしました。革という素材としての質感がしっかりとあって、経年変化が深く出そうで、でも重すぎず、ハードすぎない。そんな革を求めて、何軒も革屋さんをたずね歩きました。
使うたびに楽しくなるように、表情が深くて、経年変化が美しいというのが第一条件。また、革という素材特有のワイルドさがありつつも、服を選ばず、日常的にヘビーユースできるような雰囲気を持つものを探していました。
この革は、革屋さんの片隅で、ハンガーにも掛けられず少し埃を被りながら、巻かれてごろんと置かれていました。原皮(元の牛)も国内で、国内有数の産地兵庫県姫路で鞣し加工された牛本革。かなり硬めだったのですが、他の革とは存在感が違う雰囲気で一目惚れしました。革の表情が豊かで、その分不安定そうな感じもかなりありましたが、それでも魅力でした。厚みと硬さがあるため、これを漉いて薄くして使っています。
本革のため、天然素材です。中でもこちらの革は、特に表情が豊かで個体差も大きな革です。革の表情であり長所と考えており、この質感を活かして、使い込み育てるようなものにしたいため、使用上の強度等で問題のない部分は使用しています。大きな傷や薄すぎる箇所など、使用上支障を来す可能性のある部分は製作時点で除外していますが、お届けしているものは全て良品判断になりますので、予めご了承くだい。
この革の表面の質感の特性上、製作時のミシン跡が残る場合がありますが、使用するうちに消えます。革の製作・仕上げ工程に白っぽく見える箇所が入ることがありますが、これも使い始めて艶が出るにつれ、目立たなくなるか無くなります。シワや縞に見える箇所が入ることもありますが、同様です。
プレーンな綺麗さや見た目が均一なものをお求めの場合は、ご希望に合わない可能性があります。心配な方や、気になる方はご注文前にお問合せくださいませ。在庫品の簡易写真をお送りいたします。
経年変化が早く、大きいのが特長の革です。写真のものはどれも、クリーム等のケア用品によるメンテナンスは全くせずに使用し続けたものです。ケア用品等を使用しても基本的には問題ありませんが、クリームやケア剤による色の変化や硬さが出ることがありますのでご注意ください。店主個人的にも、日常のメンテナンスは何もしておらず、土砂降りの雨に降られて濡れたときにタオルで水気を拭き取るくらいです。
手で触れたり、バッグの場合は身体や服との摩擦など、普段の動きの中で十分に育ちます。お好みで、ときどき布などで乾拭きすると艶が出るのが早くなったり、艶が増します。
気兼ねなく使って、経年変化をお楽しみください。
レザー素材についてもPINTらしい視点に絞り、展開しています。
・本革で、経年変化が特に楽しめる革を使用
・シンプルな構造と形で、使い方の自由があるデザイン
・丁寧で綺麗な縫製
・単一素材で、金具等の部品も最小限にする
動物の種類ごとに厚みや質感など様々な違いがありますが、その素材らしさが引き出せるように。良質の素材を使い、質感や使用感を保ちながらも、できるだけシンプルな構造により堅牢にすることで道具のような強さを目指します。ロゴ等は入っていません。
パソコンのモニター環境や携帯電話の機種・設定によって、商品の色味や素材感などが実物と異なって見える場合がございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。
同素材別型