創業1848年、岩手県奥州市水沢の南部鉄器の蚊遣り
創業1848年の岩手県奥州市水沢の南部鉄器工房、鉄を活かし、鉄と生きるという「及富(おいとみ)」で作られている蚊遣り。南部鉄器の美しさそのままに蚊遣りとなりました。
燃える水が、砂の静寂の中で形になる、南部鉄器の美しさ。
南部鉄器は、熱で溶かした燃える水のような鉄(湯と呼ばれます)を、砂でできた鋳型に流して(注湯)器物をつくる、いわゆる「鋳造」で作られています。火の強さ、砂の確かさ、マグマのような鉄を、職人は生身で制御し形作っていきます。
翌日、すっかり冷えた鉄器を取り出して砂を落とし、鉄のバリ(残材)を取り除いて表面をなめらかにしていきます。磨き上げたら、900度の窯で焼成する、「窯焼き」という作業を経て、錆止めとなる酸化皮膜ができあがります。最後に、茶渋で煮込み蜜蝋を塗布することで、蚊遣りが完成します。
この蚊遣りは鋳込んだ鉄を茶渋で煮込み蜜蝋を塗布しただけのものですので、水気によっては錆びる場合がございます。錆びても蚊遣りとしてお使いいただく分に問題はありませんが、錆が手や衣服、畳などに付くことがありますのでご注意ください。錆を防ぐには、蚊遣りを水気から遠ざけ、万が一濡れてしまいましたら、すぐに拭き取って乾燥させてください。
最初に付属の灰をうつわの中に入れ、灰の上にそのまま火を灯した線香を置いて使います。燃え尽きた線香の燃え殻は、そのまま灰の中に沈んでゆきます。そうすることで灰を片付ける必要がなく、見た目も見苦しくありません。むしろ燃え尽きたものがそのまま灰の中に溶け込むという仕組みに、昔ながらの智慧と工夫が息づく製品です。深さもあるため、強風などでなければ、中に積もる灰が飛び散ってしまうようなことも少ないです。
ひと夏の間、使い終わった燃え殻が灰の上に積もっていくさまを眺めるのも、趣きを感じます。
蚊遣りの中に灰を敷き、その上に火をつけた蚊取り線香を使ってお使いください。途中で火を消したいときは、線香を消したいところで折り取るか、火の着いた部分を灰の中にしっかり埋めてください。火の着いた部分が蚊遣りの外にこぼれないよう十分にご注意ください。火事の原因となります。
最初にお使いいただく時、新しい灰は空気をたくさん含んで柔らかく線香が沈んで火が消えてしまうことがあります。その場合は、灰をヘラなどでほんの少し押し固めてからお使いください。蚊取り線香数枚分の灰が溜まれば沈まなくなります。
東屋の擂粉木の産地である和歌山県清水で採れる棕櫚の葉を乾燥させて使用しています。重さ約30gと軽く、適度にしなり、デザインもよい、スマートで優秀な相棒です。
蚊遣りと一緒に使いたい、菊花線香30巻入も販売しております。(※蚊遣り購入時に、もともと2巻付属しています。)
日本の素材と技術を活かし、細部にまでこだわったクオリティの高い商品を生み出している東屋(あづまや)。東屋の商品は改めて日本の技術の素晴らしさを伝えてくれると共に、現代の生活に違和感なくとけ込み、時が経つにつれ味わい深くなる商品ばかりです。デザイナーの猿山修さんとコラボレーションした作品群も魅力的で、デザインと様式美が溶け込んだ、どれも愛着を持って末永く使えるような商品を作っています。
こちらの商品は、各オンライン店舗間で在庫を共有しております。そのため、ご注文のタイミングによっては他店舗との売り違いで在庫がご用意できない場合がございます。予めご了承くださいませ。(その際は別途メールにてご連絡いたします。)
- カテゴリ
- 生活雑貨 > インテリア雑貨 > その他インテリア雑貨
- ブランド
- 東屋
- 蚊遣り
- サイズ|約150mm×約150mm 高さ67mm
重量|約1020g
素材|錫鉄、茶渋、蜜蝋
産地|岩手県水沢
製造|及富
制作|東屋
※金属を著しく腐食させる薬品は使用できません。
- 菊花線香|りんねしゃ
- 素材| 除虫草、薄荷、除虫菊粉末、白樺木粉、タブ粉、殿粉
継続時間|1巻あたり約6時間
産地|国産
製造者|りんねしゃ
※蚊遣り購入時に、もともと2巻付属しています。
- 武蔵|東屋
- サイズ|全長約65cm(紐を除く) 虫たたき部分 幅約8cm、長さ約12.5cm
重さ|約30g
産地|和歌山県清水
製作|東屋
- わざわざ取り扱い開始年
- 2021年
- 備考
- ※計測方法により、寸法に多少の差がある場合がございます。
※被膜を作る際に色むら等が生まれる場合がございます。
夏の風物詩、蚊取り線香を入れるうつわです。