sisam FAIR TRADEのお洋服や雑貨は、生産地で昔から脈々と受け継がれてきた「手しごと」によって支えられています。

決して均一ではないけれど、人の手のなかで生まれた温度あるもの。
私たちはそこにこそ多くのメッセージが込められていることを知っています。

12回に分けてお届けする、大切でいとおしい手しごとのお話。

今回は第3話「手刺繍」のお話です。
何百年と受け継がれてきたインドの伝統的な手刺繍の世界をお楽しみください。

ペルシャ語で、「美しい業」を意味するチカン刺繍。

インド・ラクノーという地方で 母から子へと400年受け継がれてきた伝統刺繍です。

手刺繍がほどこされた一枚の服。それは多くの職人の手を経て、私たちのもとへと届きます。

小さな工房で縫製をするミシンの職人。
モチーフの下絵用に版をつくる木彫り職人。
その木版を服のうえに正確に押していく職人。

そして手刺繍をほどこすのは村の女性たち。
気温が40度を超える厳しい自然条件の中でも、家事や子育ての傍ら、内職的に刺繍をしています。
まるで絵を描いていくように、一針一針、丁寧に。

彼女たちのまなざしとその伝統技術が、私たちの暮らしに美しく混ざり合う。そんな特別な一枚を。