こんにちは。grafの松本です。

遊牧民が時間をかけて織りなす一点物の絨毯「ギャッベ」をご存じですか？

「ギャッベ」は、ペルシア語で「ざっくりとした」という意味。ペルシャ絨毯のように工房で緻密に織り上げる絨毯と比べ、ギャッベはその名のとおりざっくりとした織りで素朴な魅力を持つ手織り絨毯です。

遊牧民の暮らしの道具として、飼っている羊の毛を刈り､糸を紡ぎ､織りあげるという手法は､今も大切な文化として受け継がれており、同じものが存在しない世界にひとつの絨毯です。

手仕事を感じる風合い、どこか温かく懐かしい雰囲気のギャッベは、どんなインテリアにも合わせやすい万能のアイテムです。

こちらは通称「チェアマット」ととも呼ばれる、椅子の座面にぴったりの座布団サイズ。
遊牧民のテント生活にも耐えるため、可愛らしい見た目から創造するより非常に耐久性が高く、汚れにも強い絨毯です。

生地に使用されている天然のウールは、保温性・吸湿性に優れており夏でもサラリと快適。
冬も、床暖房やホットカーペットの熱を通して傷むこともなく、季節問わず敷いていただけます。

夏は40度を越え、冬には氷点下になるという、遊牧民の過酷な生活に耐えるための工夫がなされている絨毯です。

すっきりとしたベージュを下地に描かれているのは、鮮やかな青のラクダ。
ラクダは遊牧民にとって、移動する際に家屋や財産を運んでくれるなくてはならない存在です。
新たな土地で豊かな生活をもたらしてくれることから「成功」のモチーフとされ、良い方向へ向かうことへの祈りを表現しています。

ベージュとグレーが織り交ざった下地に描かれているのは、黄色と赤色と紺色をまとった個性豊かなライオン。
一本に続く大地を歩んでいくようなライオンには力強さも感じとることができます。
ライオンのモチーフには「力強さ・たくましさ・知恵や勇気」などの意味があり、深い知恵と豊かな財力、強靭な肉体と大きな権力を表しています。
王を守るものとして、王の敵として、宮殿を守護する像としてなど、権力者との関わりも深く、王様や部族、家族の長の座るところにライオンギャッベは敷かれていたと言われています。

緑の広大な大地に描かれているのは、3本のヤシの木と3頭のラクダ。
新たな土地で豊かな生活をもたらしてくれることから「成功」のモチーフとされるラクダ。
良い方向へむかうことへの祈りを表現していますが、昨今では移動手段に車が使われるようになったこともあり、ラクダはやや珍しいデザインとなってきているようです。

夕日を思い出させるような暖かな黄色に描かれているのは、ヤシの木と遊牧民のテントでしょうか。
広大な自然・住居となるテント・移動生活をともにする動物たち。
遊牧民の普段の生活が描かれた一枚です。

鮮やかなグリーンを下地に描かれているのは、遊牧生活の中で目にするシカ。
シカは子供たちに寄り添って共に生活をすることから、家庭円満や健やかな子供の成長への願いとして織り込まれます。「豊かな家庭」を象徴するデザインのシカは、ギャッベのなかでもスタンダードなデザインです。

- ギャッベのお手入れ方法 -
・普段のお手入れは、掃除機を折り目の方向に合わせてかけてください。
・飲み物をこぼしてしまった時はすぐにティッシュで押さえ水気をとります。次によく絞った濡れタオルでトントンと叩いて汚れを落とします。最後にティッシュなどで残った水分を取ります。羊毛の自然な油分がありますので、すぐに拭き取ることで汚れが浸み込み難いです。
・汚れやにおいがひどい場合は、シャンプーを100倍に水で薄めスポンジでよく泡立て、泡を汚れの上にのせます。毛足の方向に沿って、よく絞った濡れタオルでトントンと叩いて汚れを拭いていきます。後は、固く絞った布で同様に拭き、さらに乾拭きし、風通しの良い場所で十分に乾かしてください。