兵庫県の最北端の町、豊岡市。

市街地から、車で15分ほどの日高町。夏はキャンプ、冬はスキーが楽しめる神鍋高原の麓に「伝所鳩（でんしょばと）」はあります。

長らく東京で働いていましたが、2019年に妻とこの町へ移り住み、祖父が暮らしていた空き家だった古民家を、大工さんの手を借りながら、大部分を自分たちの手で改修し、夫婦ふたりでお店をはじめたのが、コロナ真っ只中の2020年でした。

この度キナリノモールからも、私たちがセレクトしてきた全国の商品や、自分たちが欲しくて形にしたオリジナルの商品を販売することになりました。

伝所鳩は、ものをただ売るだけでなく、ものの背景や価値、つくり手や地域のことを伝えることを大切にしています。

そのためお取り扱いするつくり手さんとは、直接のお取引きをさせていただいたり、実際に現地を訪ね、関係性を築きながら、その声や想いを受け取った上で、「自分たちが実際に使っていいと思えるもの」だけを選んでいます。

私たちが、まるで伝書鳩のようになって、その地域へ足を運び、見て聞いてきたことをお客さまへ伝える。

ものの本当の価値を知って選んでくださる方、直してでも大切に使い続けてくださる方、そんな方が一人でも増えていくよう、この場所から商品を通じてお届けしています。

山陰地方の豊岡市は、雨や曇りの日がとても多く、冬は大雪になることもしばしば。そんな厳しい環境だからこそ、この地に合う商品も多くセレクトしています。

暖房に頼らず暖かく過ごせる商品、雨の日でも快適に出歩ける靴、効率的に洗濯物を干すことができるアイテム。似たような地域にお住いの方はもちろん、そうでない地域の方にも、こんな便利な商品があったんだと思ってもらえるかもしれません。

店頭では、全国のつくり手さんやブランドを紹介するポップアップイベントを毎月開催することで、商品を並べるだけでなく、背景や物語をより詳しく伝えながら商品を選んでもらえる場づくりを続けています。また、ワークショップ等も開催し、お客さまがつくり手の皆さまと交流できる機会も設けています。

全国のつくり手さんと密に繋がっていく中で、こういう商品があったらいいのに。地域柄ここがこうだったらより良いのに。そんなこうしたらいいのにを、つくり手の皆さんにご相談させていただきながら、ありそうでなかったオリジナル商品の開発にも少しずつ取り組んでいます。

※写真は、福岡県の宮田織物さんにご協力いただいてできた、別注のオリジナルはんてん。

地元のものもたくさんご用意しています。

出石焼と呼ばれる焼き物や、城崎麦わら細工など、この地域で長く根付いてきた伝統工芸品から、地元の生産者さんと一緒に企画している調味料や、お土産品なども企画・制作を行っています。

伝所鳩は、この場所から、日々の暮らしにそっと寄り添い、長く愛されるものをお届けできたら嬉しいです。

これからどうぞよろしくお願いいたします。