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The Scent Journey

ストア:KOZLIFE掲載日:2020/06/27
こんにちは〜

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

今日のブログは
”ferm LIVING Stories" です。

今回ご紹介するのは
リョーコ・ホリの物語です。

現代人に失われつつある
「感覚」についてのお話や
香りを通して繋がる、ひいおばあさまのお話。
そして、自分の感じている使命について。


繊細で丁寧な彼女の暮らしぶりが
垣間見られるインタビューです。



〜 The Scent Journey 〜
幼い頃のかおりを、
あなたは思い出すことができますか?

リョーコ・ホリは、
素晴らしい香りの世界を通して
心と体のつながりを強め、
記憶を呼び覚ましたいと思っています。

10年前に彼女は、
日本とファッション業界のキャリアを捨て
オーストラリアでリメディアルマッサージを
インドではアーユルヴェーダを
そしてフランスでは伝統的な調香の勉強を始めました。

今、彼女はベルリンにある
センサーサロンと呼ばれる場所にいます。
Ryoko Hori
彼女の自宅とサロンは、
彼女自身や、クライアントに対して
日常的に行う”儀式”の場です。

小さくて茶色いビンや
白いミニマルなラベルの付いた容器
(彼女の魔法のようなオイルやルームスプレー、
ハンドメイドの香水など)
がそこら中に見られます。

彼女のサロンは、人生のパートナーでもある
ダニエルと住むアパートの一角にあります。

私たち取材チームは、畳に上がり、
リョーコの感覚と香りの世界に
足を踏み入れました。
〜 自然と再びつながる 〜
リョーコのサロンは単なるビジネスではなく
現代人の身体と感覚を取り戻すことを
使命としています。

近年、マインドフルネスと瞑想が再注目され
心の平穏を優先することの重要性が
認識されてきています。

彼女は日常的に瞑想を行い
畳の部屋では、瞑想のワークショップも
行なっています。

それだけではなく、
私たちが軽視しがちな五感を通して
身体と心をつなぐ層を
増やしていきたいと思っているのです。
「私たちは、他の感覚よりも
視覚を発達させているようなのです。
そして、もし一つの感覚を使おうとすると
あるタイミングで他の感覚が弱くなる。

今日、視覚は第1の感覚です。
しかし、私たちが生まれたとき
嗅覚こそが、すべての中で最も発達した
感覚であったことを忘れています。
嗅覚とは、
私たちが初めて世界をとらえた方法なのです。

私たちは、嗅覚と味覚を
もう一度使う訓練が必要なのでしょう。
そして、体全体とつながるようにしないと」



リョーコは日本の伝統的な緑茶「ほうじ茶」を
数ある手作りの湯呑みの内から選んだカップに
注ぎながら教えてくれました。

優しく優雅な動きで周囲のものを扱い、
すべてを丁寧にアレンジしている様子が
彼女から見て取れます。


彼女は何事にも時間をかけます。

毎朝飲む一杯のお茶など、
どんな小さな日常生活でも
彼女には大切な儀式になるのです。

彼女は日々感覚を鍛え、
毎日の細々したことに対して
感謝する時間を見つけているのです。



お風呂に入ることはリョーコにとって、
体をきれいにするというだけでなく
むしろ自然を発見したり、
自然と繋がったりする、ということ。

彼女はよく、
水を張った大きなバスタブに浸かります。
石やアロマセラピーは、彼女が再び
自然と出会い、繋がる手助けしてくれる。
バスルームは、そんな場所なのです。

〜 A Personal Matter 〜
彼女は伝統的なもののあり方を学びながらも
それでも自分の道を探しています。
それは、彼女が語るように、
彼女の家族にも通じるものがあるようです。



「母方では、曽祖母とのつながりを
強く感じています。
20世紀初頭、日本は保守的な社会でしたが
曽祖母は当時の女性には珍しく、
文房具店や旅館、パチンコ店を営んでいました。
彼女についてもっと知りたくて、
今、彼女のために特別な香りを作り始めています」



サンダルウッド、シナモン、クローブ、
沈香をベースに作られたその香りは、
何世紀にもわたって日本で愛されてきた
彼女のお気に入りの香りです。



「彼女のように……」

そういうとリョーコは、
こう続けました。



「自分の道を見つけたいのです。
伝統的な方法を理解するのは魅力的だけど
自分の道を切り開きたい。」



リョーコの仕事は、
すべて私事(わたくしごと)なのです。

カウンターの奥にあるに手書きのメモや
古いタイプライターで作られたラベルなど
店のすべての原点を語る個人的な物語が、
彼女の印となっています。


「私たちの作るすべてのものは、
まだとても些細なサイズです。
私はそれをパーソナルなものにしたいですね。

つまり、
それらの背後にある物語を知っていて
手書きのものを手に入れれば、
それは人々にとって、
もっと意味があるものになるでしょう」


〜 思い出のかおり 〜
リョーコは、オイルを肌に塗ることを食事に
作ることを料理に例えています。

彼女は肌に魅了され、
体の最大器官と呼び続けているのです。

何を食べるのかを非常に
意識しているのと同じように
(たとえそれを準備するのがダニエルであっても)
彼女は自分が使用する材料を
とことん追求していきます。


最近は父親と新たな材料を探しに
インドへ旅行にいき、
彼女のそのパーソナルな色合いが、
道中のプロセス、すべてのステップに
はっきりと現れました。

彼女と個人的に関わることは
時間がかかりることでしょうが、
それも彼女の秘密の要素なのかもしれません。


「すべての香りは、少なくともそれらを
作るために長い時間がかかったからこそ、
それぞれのストーリーを語りかけてきます」



リョーコはそういうと、
新しい香りやオイルのプロセスの背景を
私たちに説明してくれました。



「まず、エッセンシャルオイルを混ぜ合わせ、
様々な香りを一つにするために待ちます。
そして翌日、もう一度作業をやり直します。

ブレンドしたものはすべて取っておき、
(彼女の好みではない香りも)
何かが出てきはしないかと、
チェックするために大きめの瓶に移します。

失敗した香りのパンチは、
もしかしたらですが、
よくなるかもしれませんからね」



彼女は、自分がかつて作ってきた、
すべての香りやオイル、クリームなどの
詳細なメモを残してきました。

ただ、同じ分量で作ることはできても、
決して同じにはならないものだと、
彼女は言います。


「いつでも、もっと作ることができますが
材料は決して同じではありません。
すべては時間の経過とともに変化します」



時間は秘密の要素だが、
香りを作ることは明確な科学ではないと
彼女は説明します。



「嗅覚とは、私たちの感情や記憶を司る、
最も原始的な脳の中枢に、ダイレクトに
結びついている五感の一つです。

香りに最終的な答えはありません。

なぜなら、人間が香りを経験する方法は
世界中で同じではなく、
それはみなさんの体験、ルーツ、場所、
そして文化によって変化するからなのです。」



彼女の様々な香りやローションクリームは
どれも中毒性があります。

彼女は私たちに、香りを通して
単なる「純粋な」喜びよりも、
何か他の経験をしてほしいと思っています。

彼女は、香りが私たちを連れ戻してくれる
ことを望んでいるのです。



「香りは、子供の頃の味を思い出させて
くれるし、時には夢も思い出させてくれる」



とリョーコは力強く語り、
時を超えた香りの旅への憧れを抱かせてくれます。


いかがでしたでしょうか。


香りの持つ力って、
日頃は意識していなくても
ふとした時に威力を発揮しますよね。

雨上がりの土の香り
干したての布団の香り
街ですれ違った人の香り、などなど。

五感を通して感じる世界、
なんだか楽しそうで、ワクワクしてきました!

それでは、次回もお楽しみに〜

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