カテゴリから探す
特商法に基づく表記お問い合わせ

アメリのベッドルーム

ストア:KOZLIFE掲載日:2020/07/04
こんにちは〜

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

今日のストアレターは
”ferm LIVING Stories" です!

今回ご紹介するのは
アメリ・ピシャールの物語です。


パリでシューズデザイナーとして
成功を収めた彼女。

パリの中心地に愛猫たちと住むアメリに
大切な仕事のこと、
ファッションとの距離の取り方、
そして、これまでの人生について
色々と聞いてみましょう。
〜 アメリのベッドルーム 〜
子供を育てるには、”村” が必要です。

デザイナー、アメリの場合、
彼女の名前でシューズとアクセサリーの
ブランドを立ち上げ、運営する村が必要でした。

彼女がファッションの中心地パリに
移ってから10年が経ちますが、
アメリは村に息づく考え方や
ライフスタイルを、今も守り続けています。
Amelie Pichard
Rue de Lappeという小さな通りが
彼女のアーバンヴィレッジの舞台となり、
アパートから自分のお店までの
数百メートルを散歩するとき、
まるで部屋から部屋へと渡り歩いていくかの
ように彼女はリラックスしています。

パリにファッションという夢を追いかける
ために最初に住んだ場所こそが、
この通りなのでした。
〜 家のように 〜

太陽が空高くのぼる秋口の朝、
私たちはパリ中心部にあるアメリの
小さな“ヴィレッジ”を訪ねました。

デザイン学校に通い始めた頃、
彼女はようやく自分にとってぴったりの
要素を見つけたと、確信していたと語りました。

しかし、卒業しファッションブランドに
初めて就職したとき、彼女はこのタイプの
仕事はやっぱり私には向かない、
としてギブアップ。

アメリエは基本に立ち返ろうと思い、
昔ながらの靴作りを学び始めました。
彼女は整形外科の靴職人を見つけ、
ハンドメイドシューズの全てを教わりました。
半年滞在し、大きなブランドへの
シューズデザインコンクールで優勝したことで、
彼女はそのキャリアをスタートさせたのです。

時間という問題はありましたが、
パリにいる最後の靴職人である
マダム・ジェルメーヌにコンタクトを取り、
最初のコレクションの製作を依頼しました。

マダム・ジェルメーヌはその小さな工場を、
アメリ・ピシャールのファーストシリーズ
制作中に閉鎖してしまいましたが、
マダムの伝統的な職人技への認識と称賛は、
彼女の仕事に不可欠なものであり続けました。


アメリ自身も住む、Lappe通りの
最上階にある小さなアパルトマンの中で、
彼女のブランドは誕生しました。

彼女は、仕事も、パーティーも、寝ることも
そして大切なパートナーと会うことも、
その全てをこの場所で過ごしてきました。

その後、美しい中庭のある
小さなアパルトマンの3階に事務所を設置。
仕事の増加に伴ってスタッフを増やし
事務所を拡張、今は、その事務所は
倉庫として使われるようになりました。

彼女の艶やかなユーモラスファッションの
王国は、通り沿いの明るいグリーンの
ファサードの小さなお店で見られます。
(そこは、アメリの好きなものばかりで飾られています)


「私の人生はすべて、
私のやり方で望んだようにやりたかったの。
だから、私はお店以上の場所が欲しかった。
今の時代、
インスタグラムやインターネットなど、
全部がバーチャルでしょ。
私のお店はバーチャルリアリティなのよ。
シェ・ピシャールって呼んでいるんだけど
お酒を飲みに来る人もいれば、
靴を買いに来る人もいるような、
家のような感じにしたいと思っているわ」



だからこそ、このお店は
普通のお店ではないのです。

大きな鏡が奥にある壁を覆い、
訪問者たちはフェイクファーで覆われた
キングサイズのベッドがお出迎え。
オープン当初はすべてピンクの
サテン地だったが、今後は季節ごとに
変化していく予定とのこと。

小売店やシーズンコレクション、
ファッションウィークのハイペースさと
ストレスに追われることに終わりを告げ
ファッション業界を去ると決意したとき、
彼女は店を開きました。

今、会社は最上階から1階に引越し、
入り口の大きな看板の助けもあって
アメリは自分のペースとやり方に
忠実に働いています。

〜 伝統的なサボアフェール 〜
アメリは、フランス最後の靴職人の
一人と一緒に働いていたとき、
伝統的な工芸デザインを学びました。

今日では、彼女が手作業で靴を作るのに
費やしたその数ヶ月の名残で、
最初のアイディア段階から
ついに靴が自分の棚に並ぶまでの、
すべての小さなプロセスに携わっています。


「レザーを扱うとき、私はどうやって
レザーが生産されているのか知りたいの。
理想を言えば、その牛が生きた場所に住んで
どうやって染色しているかも知りたいわ」

そう言うと、アメリアはこう続けます。

「工場からお店にいたるまで、
顧客の方々の信頼は、
私にとっては非常に大切なことなのよ」
手仕事(工芸)を最初に学ぶという選択は、
彼女の強いイデオロギーに反映され、
今のブランドの重要なパーツになっています。


「私はフランスの伝統工芸の
精神を愛しています。
昔、この地域は椅子を作っていて、
その職人技には惚れ惚れしたわ。
フランスで自分の作品を
作りたかったけれど、
今となってはもう遅いわね。
もうここにサプライヤーは残っていないの」


ファッションデザイナーとして、
そして成功した者として、
システムを壊すことは簡単な選択ではありません。

彼女は毎年のファッションウィークに
積極的に参加しているわけではありませんが、
未だに、自分はシステムの一部なのだ、
と強く意識しています。

しかし、マーケットのハイペースや
不当な要求と決別しようと、
一歩ずつ努力しています。


「多くのことが変わっていっているわ」

アメリはそう言うと、
特に衣類などの生産がどこで行われているのか
引き合いに出しながら…

「ファッションは好きではないの。
確かに私はファッションを作り出します。
けど、ファッションというシステムの
一部になることは望んでいないの」

と、宣言しています。
〜 コントラスのある人生 〜
伝統にこだわりながらも
時にはモダンで革新的なデザインは、
アメリの人生のプロセスや手段の特徴であり
そして矛盾に満ちている部分でもあります。


「伝統は好きですよ。
それにイノベーションも好き。
だから私のコレクションでは、
それらを同時に試しているの」


しかし、仕事以外でも、
アメリが対照的な人生を
歩んでいることは明らかです。


アメリは、その見た目から連想されるような
ステレオタイプのパリジャンではありません。

ファッション界のスターでありながら
ファッション業界が嫌いで、
買い物にも行きません。

世界で最もエキサイティングな都市の
中心に住んでいながら、
週末に出歩くのは極めて稀です。

彼女は革新的ですが、伝統を愛し、
フランスの優雅さとユーモアの
意外なコンビネーションを成功させています。


「【Less is more. But too much is cool. 】
(より少ないことは、より豊かなこと。
 でも、やりすぎはカッコイイ)
これは、私のお店の建築家でもある
マリオン・メイレンダーがある日、
私に言った言葉よ」


アメリは、ブランドのスタイルと
表現のバランスについてこう語っています。


「全てのものは、常に互いに対照的なの。
これって決まり文句だと知っているけど、
私は男性の視点から女性を見るのが好き。
女性らしく、モダンに、決まり文句っぽく
ユーモアも交えながら、たくさん働くわ」


彼女は自分のブランドの芸術的な
ヴィジョンについて…


「まるで裸の少女たちがいる
会社みたいよね。(笑)
けど、その背後には多くのものがあるの」


と笑いながら言います。



ベッドは単に彼女のお店の
シンボルなだけではなく、
彼女個人の世界の中心でもあるのです。


「週末の少なくとも1日、
本と愛猫たちと一緒になって
ベッドに横になるだけの日が私には必要ね」


と彼女は認めています。


「実際、週末にすることといえば、
花屋に行って新しい植物を買ってきて、
おいしいものを食べることくらい。
自然を内側に取り入れるということね」


アメリは、ペルシャ猫の一匹が
膝に飛び乗ってきながらも、
自分のドリームハウスの青写真をこう描きます。


「植物なしでは生けていけないし、
家は猫なしでは家ではないわ。
パリは住むには完璧な場所だけど、
私たちが完璧なアパルトマンを
作ろうとしても、実際には
自然の中にこそ完璧な場所があるのよね」



いかがでしたでしょうか。

「サボアフェール」とはフランス語で
ノウハウ、と訳されることが多いそう。
ただ、ノウハウに加えて
もう少し創造性もプラスされるようで。
(訳すのは難しいらしい……)

伝統を愛し、職人の技に学びながらも
革新的なデザインを融合させていく
彼女のシューズデザインは、
まさに、彼女の人生を表しています。

彼女の愛する猫のように
しがらみに囚われず
自分の道を生きてゆく様子は
翻訳していて、少し、
羨ましくもありました。

それでは、次回もお楽しみに!
ferm LIVING|Mirage (ミラージュ) クッション/ブランケット 日本正規代理店品【受注発注】
ferm LIVING|Mirage (ミラージュ) クッション/ブランケット 日本正規代理店品【受注発注】
17,600円~
ferm LIVING|Plant Box(プラントボックス) 日本正規代理店品【受注発注】
ferm LIVING|Plant Box(プラントボックス) 日本正規代理店品【受注発注】
38,500円~
ストア紹介

KOZLIFE

「LOVE FOOD LOVE LIFE」をモットーに、北欧の豊かな暮らしをお手本にしたインテリア、キッチン雑貨、ファッションのお店です。 自分たちが実際に使ってみて本当に「良い!」と思ったモノをセレク...もっと見る

このストアの新着ストアレター