夜が長くなると、ついつい遅くまで刺繍をしてしまいます。
あと一針、もう一色。気づけば、寝る時間を少し過ぎている。
楽しくて、夢中になってしまう……みなさんは、寝不足になっていませんか?
夢中になる夜ほど、あとのケアも大切だと思うようになりました。
翌日も健やかに、また楽しく針を持つために。
刺す時間と、手をいたわる時間は、私にとってひと続きの「夜長の過ごし方」です。
この秋に作った小さなワッペンのキット「チョキぬい[夜長の過ごし方]」。
先日、そのワッペンを全部、スマホケースにはさむ様子を動画に撮りました。
今日はその裏側を、ケアの時間まで含めて、少しだけ文章でもご紹介します。
クロヤギシロヤギ|チョキぬいワッペン刺繍キット[夜長の過ごし方(きのこ・ハート・花束・猫・りす)]
まずはワッペンの仕上げから。チョキっ✂︎
動画のはじまりは、完成間近の手元から。
裏の糸始末ができたら、枠のまわりをハサミでチョキッ。
輪郭の枠は布にあらかじめ刺繍してあるので、切ったそのままがワッペンです。
縫いつけも、お仕立てもなし。
ここまでで、もう完成。
挟む前に、背景で迷います
できあがったワッペンは3つ。
きのこの中にはリス、ハートには花束、カゴの中には猫がいます。
スマホのクリアケースにはさむ前に、いちばん迷うのが背景布。
紺の花柄、星柄、青い枝柄、緑のギンガム、きのこ柄……。
布を替えるたびに配置を動かして、「今日はこれでいきます」と決めるまでが、ひとつの楽しみです。
同じ刺繍でも、背景が変わると気分が変わる。
縫いつけていないからこそできる、着せ替えのような楽しみ方だと思います。
きのこの中のリスは、私にとって少し特別なモチーフ。
実家でリスと暮らしていたことがあって、この子を見るとその頃のことを思い出します。
小さな刺繍が、思い出まで一緒に持ち歩ける形になるのは、うれしいもの。
ケースを閉じて、手に持ってみる。
毎日いちばん長く手にしているスマホが、夜長の時間ごと持ち歩けるものになりました。
楽しいからこそ、ケアもセットで
刺繍が終わったあとは、手の時間。
夢中になった夜の、大切な仕上げです。
リスの小皿に載せた胡桃を、手のひらでカラカラと回します。
中国の「ぶんわんくるみ」という習慣で、昔は宮廷の楽師が指の訓練に使っていたそうです。
リスのごちそうは、私の手のおやつでもあります。
それから、指のストレッチを少し。
刺繍をお仕事にさせていただいて、今年で20年になりました。
指のケアは、20年支えてくれた指への感謝の気持ちを込めて、毎日続けているものです。
リハビリやピラティスの専門家の方々と相談を重ねながら、自分の体に合う形に辿り着きました。
ケアは、やらなければいけないものではなく、明日も楽しむための仕上げ。
今夜の夢中を、翌日の健やかさにつなげること。
そう思うと、ケアの時間もまた、夜長の楽しみのひとつになりました。
動画では、この一連の流れを4分47秒にまとめています。
ハサミの音、布を替える音、胡桃のカラカラという音。
夜の静けさの中で聴いていただきたい音たちです。
よかったら、夜長のおともにご覧ください。
ケアまで終えたら、今日の手しごとは、おしまい。
翌日も健やかに起きて、また小さな刺繍を楽しめますように。
みなさんの夜長にも、夢中になる楽しみと、ほっとする手の時間が届きますように。
クロヤギシロヤギ|チョキぬいワッペン刺繍キット[夜長の過ごし方(きのこ・ハート・花束・猫・りす)]
ストア紹介
クロヤギシロヤギ
刺繍すること、刺繍したものが好きな方のためのお店です。
刺繍キットや刺繍道具などの刺しゅう雑貨や、刺繍を使ったいろいろを販売しています。刺繍教室・ワークショップもやっています。
刺繍は人類がはじまった...もっと見る