【旅する色】モネ・パープル 野村編

ストア:トリプル・オゥ掲載日:2020/08/28
いよいよスタッフの旅エピソードも最終回となりました!旅に行くことが難しい現在、スタッフの旅話を通してトリプル・オゥに携わる"ヒト"を感じて頂けたら...そんな思いで全9回に渡って旅にまつわるエピソードをお送りしてまいりました。
ラストは私、ミシン担当野村の初めての海外旅行のお話です。
友人を訪ねていったクリスマスシーズンのロンドンとパリ。マーケットやギャラリーを片言の英語で乗り切って街を練り歩くと新たな出会いがありました。

初めての飛行機初めての海外旅行

前職を辞めて約10年過ごした東京から、故郷の群馬ヘ戻ってきたころ。
急にぽっかりと時間が空き、それまで忙しくて行けなかった海外旅行に行く事にしました。
ちょうど友人がロンドンに住んでおり、その友人を訪ねていったのが12月。
初めての飛行機、初めての海外を一人でデビューするとは思ってもいませんでした。

旅の記憶を記したノート

もともと国内の一人旅は何度も経験してきました。好奇心が強く、行きたい!と思ったら即行動。いつもある程度スケジュールをたてています。旅の準備期間も楽しみのひとつだと思うんです。
今回は海外、私にとっては未知の世界です。無印良品で買ったパスポートメモに飛行機の乗り方から簡単な英会話まで徹底的に下調べしました。
私は心配性なので、下調べはメモ帳1冊をほぼ埋め尽くす量に、、、旅の最中はその日の出来事を細かく記しました。ロンドンからパリまで、4泊6日の旅は見るもの全てが新鮮な発見の連続でメモ帳は瞬く間に小さな文字で埋まっていきました。
旅の記憶を記したこのメモ帳。あとで見返してみるとその時の高揚感がよみがえり、思い出の品となっています。
ガイドブックはあえて持っていかない。Wi-Fi環境も不確かなのでスマートフォンに頼らない。地図とこのメモ帳だけが頼りでした。

生活の空気を感じる街散歩

ロンドンでは観光名所と言われるようなところにはほとんど行かず、街をグルグル散歩するように歩きました。まるでそこに住んでいるかのように。日本とは建物の造りからちがう街並みやお店は見ているだけでワクワクしました。
羽で装飾された外観がインパクト抜群なリボン専門店。つい、雨の時はどうするんだろう?と思ってしまいますが...色とりどりのリボンやビーズなどが並び、手芸好きには堪らないお店でした。
海外に行って本屋!?と思われるかも知れませが、『世界で最も美しい書店』という本にも紹介されているDAUNT BOOKSは私が行って見たかったところの一つです。
そこでしか売っていない文具やエコバッグなどが手に入り、隠れたお土産スポットでもあります!

異国の地の日本人

昼間は一人でガツガツと、下調べしていた行きたいマーケットやギャラリーをひたすら練り歩きました。
ちなみにこの時行ったテートモダン。その後トリプル・オゥのアクセサリーを扱う事になりちょっと縁を感じます。夜は友人が仕事を終えたら合流し、友人とその友人で同じようにワーキングホリデーで来ている日本人の人たちとご飯を食べました。フリーのカメラマンだったり料理の修行をしてたり、みんな何かしらの夢をもって頑張っている姿に刺激を受けたのを覚えています。日本にいたら全く出会わなかった人、今後も会うかどうか分からない人との刹那的な出会いも旅の楽しみの一つです。

ファンシーなセーターを着たおじさんたち

季節はクリスマスシーズン真っ只中で子供の頃大好きだった映画のクリスマスシーンに入り込んだようなウキウキした気分になります。
しかし、夜になるとおじさんがファンシーなクリスマス柄のセーターとサンタ帽を被って歩いている。一人ならやけに可愛らしい趣味だなと思うものの同じような人と3人ほどすれ違ったところでやっとなんだろう?と違和感を感じました。
友人にきいてみたらアグリー(=ダサイ)セーターといい、クリスマスシーズンに会社や忘年会などで着るカルチャーだということが分かりました。
しかも、私がロンドンに行った2016年はアグリーセーターブーム真っ只中だったよう。チャリティも発生してロイヤルファミリーも参加していたというからみんなが着ていたのも納得です。
それにしても、シュッとしたかっこいいロンドンのジェントルマンが、クマのついたド派手なセーターを着ている姿にはつい笑みがこぼれてしまいました。
クリスマスのイルミネーションが輝くロンドンの街
クリスマスのイルミネーションが輝くロンドンの街
旅の思い出は話し出すときりがないのでここまでにして、今回のカラー誕生のきっかけをお話しします。

オランジュリー美術館

6日間の旅の内2日間だけ友人の休日とかぶりました。そこで、ロンドンに着いた次の日にパリに行くことに。朝5時にロンドンを出て4時間ほどでパリの中心街オペラに立っていました。
パリではド定番の観光名所を周りましたが、ルーブル美術館に行った後のことです。教科書にも載っているような有名な美術品を数々みてお腹いっぱいになっていた時、友人がどうしても行きたい美術館があると言って連れて行かれたのがオランジュリー美術館でした。
オランジュリー美術館はモネが自身の睡蓮を飾る為にプロデュースした事で有名です。
壁沿いにぴったりとはまった睡蓮の絵画。夕方だったせいか人も少なく、
まるで絵の中に入り込んだような美しい空間
美術品の見過ぎでぼーっとしていた頭もスッキリするような衝撃を受けました。

モネパープルの誕生

この企画が持ち上がったとき、最初に思い浮かんだのが“モネの間”で見たあの睡蓮の絵画でした。それまで印象派の絵画をさほど意識していなかったのに強烈に引き込まれたモネの睡蓮、その淡いパープル!
近くでみると紫や濃紺、群青などが入り混じった複雑な色合いです。柔らかいもので包み込まれるような空気感を糸で表現したら面白いんじゃないかと思いました。

旅の最中は慣れない長時間のフライトで痛めた腰と時差ボケの眠気に襲われましたが、
今となってはいい思い出です。何年経っても昨日の事のように思い出す内容の濃い6日間でした。
モネ・パープル
トリプル・オゥ|スフィア・プラス/旅する色60~80㎝〔再販〕
トリプル・オゥ|スフィア・プラス/旅する色60~80㎝〔再販〕
4,400円~
ストア紹介

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