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love letter from K. Season5「好きと嫌い」嫌いな自分が出たときに

ストア:KOZLIFE掲載日:2022/02/18
コンセプター・和田健司さんによるエッセイ「love letter from K.」。
KOZでのお買い物がもっと楽しくなるヒントをお届けします。

嫌いな自分が出たときに

なんでも検索すれば情報が見つかる便利な時代。でもピンポイントで欲しい情報はそこにない。結局経験か…と思わされた事が先日ありました。雪国の方には、何言ってるんだと思われるかもしれないですが、平野で雪の積もらない場所に住む子どもにとってはベランダに雪が積もった経験がありません。

「明日雪積もるかな?雪だるま作ろう~♪」とアナ雪ソングを歌う子どもの望みを叶えてやるために、雪を積もらせる方法をググってみる。が、出てくるのは除雪法ばかりで、全く見つかりません。「情報化社会ちゃうんか!」と心でツッコミを入れながら、とりあえずレジャーシートでも敷いてみるか、と試してみましたが結果は失敗。近所の雪が積もっている場所に夜中行って、小さなバケツで雪を採取してきたというのは内緒にしておいてください。(←何やってんだろう自分)

この自分嫌い

どんな人間でもアップダウンはあります。「今日は気分が落ちてて、体も重い。なんだかやる気が出ないなぁ。」という日が、時々僕にも訪れる。こういう日は思考がマイナスへ行きがちなので、あまり考えすぎないようにはしています。(でもついつい考え始めてしまうんですけどね…) 「あ~、この自分嫌いだわ~。」と、つい先週位にもそんな数日がありまして。気分が落ち込んでいるのを何とかしようと実際にあれこれ色々試した中で、もしかしたら皆さんのお役に立てるかも?という「嫌いな自分が出たときに、そこを脱するきっかけ」を見つたので、いくつかご紹介したいと思います。

しみる

食べたいものを食べるのは、ストレス解消に良さそうだけど、お腹一杯になってもやっぱり気分が上がるわけでもなかったんですね。色々試して“あ、これかも。”となったのは「しみる」でした。 方法は色々あるかと思いますが、僕が今シーズン特にお薦めしたいのは、「柚子をくぐらす」。 やり方は簡単。暖かい蕎麦やうどんを用意します。そこに柚子の皮をちょっと切り、乗せます。 れんげで汁をすくい、その柚子を少しくぐらせて、出汁を味わいます。(この時、柚子は一緒に食べないようにしてください。)
柚子の爽やかな香りがふわっと鼻に抜けていくのと同時に、優しい出汁の味が口全体にじわーっと広がります。えも言われぬ高級料亭のような繊細な感覚が全身を駆け抜けていく。「あぁ、しみるわぁ~~…」とため息が出ると思います。

汁物であれば、お吸い物とかでも良いかもしれません。やってないけれど、多分どん兵衛とかもかなり染みるでしょうね。(やってみよ笑)。後で調べて分かったのですが、柚子の香りには様々な精神的効果があるようです。リラックス効果、落ち込んだ気持ちを向上させる効果(これだ)、苛立ちの緩和、気分転換、集中力向上、疲労回復、自立神経を整える。また安眠などの作用。まさに自分が嫌いな時の特効薬じゃないですか。

柚子の旬である冬ももう少しで終わってしまいますから、このタイミングを逃さないようにしてくださいね。1個でかなりの量が使えますから、柚子チップのように大量に作っておいて冷凍しておくのも良いかも。

あのポップコーン

常々思っていたのですが、映画館って何であんなにポップコーンの香りで満たされているんだろうと。休日にたまたま映画館の前を通り過ぎた際、香りに誘われてついつい足を踏み入れてしまいました。特に見たい映画があるわけでもないし、このご時世長時間密室もなぁ…と、ポップコーンだけ試しにお持ち帰りすることにしました。そういえば、映画って今でこそ予約をしてから見に行くのがほとんどで、ふらっと寄って面白そうな作品を見るなんて事はなくなっちゃいましたね。
ということで、バケツに溢れんばかりのポップコーンを膝の上に置きまして、Netflixで気になっていた映画を見ます。飲み物はお好みで。
大した事はないかと思っていたら、これが予想外。うん、控えめに言って最高かもしれない。映像や音も大事だと思いますが、映画館と同じバケツを持ちながら見るというのは盲点だったかもしれません。家で見るいつもの映画が、ぐっと映画館に近づきます。ポップコーンの香りと共に過ごす2時間あまり。非日常の世界に入り込み、少しの間嫌いな自分とお別れすることができます。そして、食べきれないのも映画館と同じでなんだか雰囲気があって良いです。
わざわざ買いに行くのは面倒ですが、自宅で作ったポップコーンではダメなのです。味はともかく、業務用でしか流通していないあのバケツで食べることに意義があるのです。

Smell matters

嫌いな自分が出たときに、そこを脱するきっかけ。まだ他にもある気がするので、ちょっとメンタルが落ちている時に色々試してみようと考えています。今の所の個人的な見方ですが、意外と嗅覚に関わる事が効果があるように思います。ちなみに嗅覚からの情報は五感の中で唯一、思考や理性というフィルターを通さず、直接人間の記憶や情動の脳に伝達されるようです。ということは、他よりダイレクトに効き目があるということ。あなたが気持ち良いと感じる「香り」がわかれば、ほんの数秒で憂鬱な1日を変えることができるかもしれません。

つづく
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和田 健司
オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。
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