魚をモチーフにした魚文線彫。線彫の技法を用いた作品の中でも、こちらは生産数量の少ない人気のシリーズです。この魚の文様を描いているのは育陶園の康雄さんただお一人。その為、年に1~2回しかオーダーできない貴重な作品なのです。
湯呑みのような、手に収まるサイズの「小」。高さのある「中」は、ビールを飲むのにちょうどいい!
コーヒーを淹れてゆっくり味わいたい「小」。「中」は、ミルクたっぷりのカフェオレやアイスコーヒーなどに。
沖縄の土に、県内のお米の籾殻と、石灰を混ぜ灰にし、そこへ砕いた具志頭(長石)を職人の手によって入れ水で攪拌した釉薬を用いて、やちむんづくりを行っている「育陶園」。
作り方は、主にロクロによる手引きで器の形を整え、ガス窯で焼成を行っています。窯の癖や、その日の風の状態、中に入っている器の大きさ、釉薬の種類、火の種類によって火の調節を変えています。
育陶園さんで特に目を引いたのはこの線彫という技法でした。沖縄のやちむんと言えば、おおらかな絵付けをイメージしていましたが、繊細な唐草模様をリズム良く削っていくこの作業を見た時に、おおらかさと緻密さの融合した新たな視点を見たような気がしました。とっても美しい器です。
沖縄県那覇市にある育陶園。300年続く壺屋焼の窯元です。沖縄の素材(土や釉薬)にこだわり、沖縄の気候風土と壺屋という環境の中で職人の手によってひとつひとつ丁寧にやちむんづくりに取り組んでいます。常に使う人のことを考え、暮らしに寄り添ったモノづくりを行うため、技術の改善や新しい形の開発を日々行っています。先人たちから受け継いだ技法を大切にしながら、心を込めてつくりあげることで、沖縄らしい、そして育陶園だからこそつくることができる壺屋焼が特徴です。
器の表面にできる細かい亀裂のような模様を「貫入(かんにゅう)」といいます。窯で焼いたあと、冷えていく段階で釉薬が固まる際に起きる現象で、傷ではございません。やちむんの独特の味わいとしてご理解をお願いいたします。
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躍動感あふれる魚文の線彫