伝統の粋を、あべこべに。福田るいさんが手がける「逆皮クジラ」のモダンなめし椀
熊本県荒尾市にて、独自の感性で現代の暮らしに寄り添う器を作る「瑞穂窯(みずほがま)」の福田るいさん。伝統的な小代焼(しょうだやき)の技法を大切にしながらも、日常のふとしたひらめきを形にする福田さんの器には、いつも使う人をワクワクさせる独自の視点が隠されています。
今回ご紹介するのは、伝統的な見立てにひとひねりを加えた、粋でモダンな「めし椀 逆皮クジラ」です。
伝統の「皮鯨」をひっくり返した、遊び心あふれる見立て
焼き物の世界では、器の縁(口辺)に黒や茶色の釉薬を施したものを、クジラの「黒い皮と白い身」の境目になぞらえて「皮鯨(かわくじら)」と呼び、古くから親しまれてきました。
しかし、るいさんが作ったのは、その色の配置をあべこべにした「逆皮クジラ」。
口縁から器の大半を柔らかな白釉で包み込み、下部に向かってきゅっと引き締まった青黒い釉薬のラインを大胆に走らせています。伝統を知る人には思わずニヤリとしてしまうような、知らない人にもその潔いツートンカラーの美しさに目を奪われる、なんともモダンでユニークな仕上がりです。
藁白の柔らかなニュアンスと、力強い土肌のコントラスト
上部に広がる白釉は、単一の白ではなく、小代焼ならではの青みがかった繊細なムラや、流れるような美しい表情(窯変)を見せてくれます。
一方で、高台(底部分)はあえて釉薬をかけない「土見せ」になっており、ざらりとした素朴な土の質感が残されています。手で包み込むように持ったとき、指先にじんわりと伝わる土の温もりも、この器の大きな魅力のひとつです。
すっきりとしたシャープな逆円錐型のシルエットは、現代のテーブルコーディネートにもすんなり馴染みます。
毎日のご飯茶碗としてはもちろん、白や青のグラデーションが食材を美しく引き立ててくれるので、色鮮やかな副菜を盛る小鉢や、お茶漬け碗、スープボウルとして使っても素敵。和食にはもちろん、洋食の並ぶテーブルにも不思議としっくり調和してくれます。
使うたびに、その粋なストーリーと手仕事の美しさに愛着が深まる特別なめし椀。先にご紹介した「逆さ富士」と合わせて、ペアで揃えるのもおすすめです。
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