「美しい」という言葉は、単に見た目のよさを指す言葉でしょうか。例えば「美しい人」であれば、「笑顔が素敵」「所作に品がある」「生き方が尊敬できる」といったイメージが浮かんできます。美しいという言葉は、目に見えないものを含めた確かな理由があると思うのです。
そんな美しさの本質に気づかせてくれる企業のひとつが、東屋です。ものには、人のように笑顔も言葉もありませんが、東屋が生み出す日用品には惹きつけられるような輝きが存在します。
東屋は、使う人のことを考え、作り手のことを考え、地球のことを考え、製品に関わる全てのことに対して、一つひとつ丁寧に向き合います。そうして、考え抜かれたものだけがもてる特別な輝きに人は心を動かされるのでしょう。
栗の木から作られた盆皿 西の木も、そんな輝きをもつ日用品のひとつ。西の木というネーミングは「西」と「木」の漢字を上下に重なると「栗」になることからつけられたそう。東屋の遊び心あるセンスです。
耐久性・耐水性に優れた栗材の特性を生かし、大分県の職人が一つひとつ手作りしている盆皿。最後は胡桃油で拭き上げており、自然な艶をまとっています。
ろくろを挽いて立ち上げた美しい曲線の縁。段差に指がかかり、持ちやすい
盆皿という名称の通り、お盆とお皿、2通りの使い方ができます。食器を乗せて持ち運ぶ際はお盆として、パンや焼き菓子を盛り付けるお皿として、どちらの使い方も秀逸である点に、東屋のプロダクトの美しさが光ります。
真鍮から作られたお盆もあります。美しいリム(縁)の立ち上がりを作るのは、金属の板を回転させながら、「へら」と呼ばれる棒で型に押し当てて成形していく「へら絞り」という職人技。真鍮そのままの色合いを生かしたものと、銀メッキを施したものの2種類があります。
銀メッキ製品は、使っていくうちに手や器などがよく触れる箇所に「アタリ」と呼ばれる、独特の風合いが表れます。金属でありながら、どこか温かみを感じるお盆は、暮らしのなかで使うグラスや器の美しさも引き立たせてくれます。
最初は真っさらなネルが、コーヒーで染まっていきます
2013年、ビルの老朽化に伴い、惜しまれつつ閉店した東京・表参道の大坊珈琲店。店主の大坊勝次さん監修のもとに制作したネルフィルターは、コーヒーをゆっくり抽出でき、深いコクのあるコーヒーが楽しめる道具です。
両手を使ってゆっくりとコーヒーを淹れる、純粋なひととき
フィルターの生地の表面は細かいヘリンボーン編みで、裏面は起毛しています。紙フィルターと比べると目地が細かく、手縫いで仕上げているところも特徴です。
毎日のコーヒーが、ちょっと特別になるネルフィルター。滴り落ちるコーヒーを眺める、丁寧でゆったりとした時間は、心を穏やかにしてくれます。
ものの美しさは、メーカーが貫く姿勢からも伝わってくるものだとわざわざは考えます。暮らしのなかで使っていくと、改めてその美しさにハッとしたり、心が癒やされたり、時が経つにつれて味わい深くなっていきます。
あなたにとって「美しい日用品」とはどんなものですか?その日用品と出会う場所のひとつが「パンと日用品の店 わざわざ」だったら嬉しいです。
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ストア紹介
パンと日用品の店 わざわざ
パンと日用品の店〈わざわざ〉は長野県東御市御牧原の山の上にポツンと佇む小さなお店。“よき生活者になる”を合言葉に、薪窯で焼いたパンと、食と生活それぞれの面から、独自の選定基準を定めて自分たちが心からよいと...もっと見る