自然とともにくらし、争わない「土着」の生き方に学ぶ
高知の山の上で畑を耕しながら、持続可能な生活を営む布作家の早川ユミさん。2023年の夏から冬にかけて行われた4つのお話会の言葉をまとめた自家製本『土着する』が入荷しています。
早川さんの本でよく出てくる“土着する“とは、山間で小さなコミュニティで生活する山岳少数民族のくらしの在り方を現す言葉。食べ物を自給自足し、住まいや衣類、必要な道具を手作りし、お金を介さずに物々交換や狩猟採取をしながら生きていく。彼らの、自然とともにくらし、争わない土着の生き方は、今世界で起こっている戦争、暴力で支配することとは真逆の生き方だと早川さんは言います。
本書の冒頭は、早川さんが2023年に訪れたポーランドとイスラエルの旅の記録から始まります。戦争。フェミニズム。土着のおんなたちの生き方。1980年代に早川さんが初めて出会った山岳少数民族のこと。
高知の山の上でくらして25年。土着する生き方をつくってきた早川さんは、自然とともにくらす山岳少数民族の思想は、コロナ後、そして資本主義後の社会で目指すべき在り方なのではないかと考えます。100%自給自足のくらしをすることはむずかしくても、くらしの一部を手作りしたり、物を長く使ったり、隣の人と分け合い、ケアしあって生きる。そんな考え方を取り入れるだけでも、地に足が付き、大きな力に身を委ねない、しなやかな強さが育ってくるかもしれません。
今起きている世界の争いに対する自分の態度や、これからのくらしを考えるにあたって、土着の生き方を実践している早川さんの言葉が重さをもって響いてくる1冊です。
目次
まえがき
第1章 旅と本と戦争「2度と、このような歴史が繰り返されないために」
第2章 土着するアナキズムとフェミニズムの未来
第3章 土着する「土さえあればだいじょうぶ」コロナ後、資本主義後の生き方
「土着する」ってなんだろう。
あとがき
あとがきのメモ
ひとつ前の早川ユミさんの自家製本「かぞくのかていか」もご一緒に。
高知の山の上で畑を耕しながら、持続可能な生活を営む布作家の早川ユミさんが、コロナ禍で出版した自家製本。「自由に生きるための、土着のアナキズムのくらし」をテーマに、かぞく、しごと、くらしについて、自らの経験と、その中で導かれた気づきがたっぷりと綴られています。
じぶんで考えて、気持ちよく生きることをひとつひとつ実践してきた早川さんの言葉は、今の生活がどうもしっくりこないと思っている人へ大きなヒントになるはずです。
また内容はそのときどきで変わるのですが、大豆やそばなど、高知の種のおまけも付いているので、こちらもお楽しみに🌱
早川ユミ
アジアの手紡ぎ、手織布、藍、黒檀の実、ラックなど草木染め、泥染めの布、山岳少数民族の布、柿渋で染めた布、リトアニア麻布でちくちく手縫いして、衣服をつくり、あちらこちらで展覧会をひらいている。夫である、陶芸家の小野哲平の薪の窯たきを手伝ったり、種まき、木を植える。アジアの布を探して、家族で旅する。ときどき、セツローさんとのふたり展をひらく。
その他、あわせて読みたい本
本灯社|私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE/安達茉莉子〈本灯社の本〉
本灯社|くらすことの本 「ありのままのわたし」を生きる〈本灯社の本〉
本灯社|35歳からの反抗期入門/碇雪恵〈本灯社の本〉
本灯社|整体対話読本 お金の話/川﨑智子、鶴崎いづみ、江頭尚子〈本灯社の本〉
ストア紹介
くらすこと
わたし自身のものさしを見つける、くらすこと。
使い続け暮らしに根づくことで、生活にふくよかな豊かさを与えてくれるものや幸せな気持ちになるもの。
そんな暮らしまわりの雑貨や洋服、台所道具、自分たちが...もっと見る