わざわざでは「毎日食べる日々の糧になるのは食事用のパンだけ」というポリシーで、お客様の健康を損なうことがない健康的なパンを目指しています。

焼いているのは、薪窯で焼いた自家製酵母のカンパーニュと、超長時間発酵の微量イーストの食パン。どちらも24時間以上低温で発酵させて粉の旨みを存分に引き出し、飽きのこない、毎日食べたいパンを作っています。

毎日食べても飽きない味というのは、普通の味ということで、つまりは特別に美味しくてはいけません。

ひと口目が明らかに美味しくてはいけないし、それは一般的に一口目の美味しさというのが表層的な美味しさであり、甘かったり、濃かったり、インパクトのある味であることが必要なので、そういう派手な美味しさは毎日食べるものには要らないと考えています。

わざわざのパンづくりの厨房には冷暖房の設備がありません。温度管理ができない中で工夫しながら生地の発酵管理をし、データを取り、できる限り一年を通して同じパンを焼こうと努力していますが、一年中を通して同じパンは焼けません。

日々のデータを基にして酵母の状態を細めにチェックし、おおよその状態をつかみながら、季節によって違いを持ったパンを今日も販売しています。

じわじわと気温が上がってくるこの頃、発酵管理に最も気を使う時期です。雨も多い時期ですので、生地がベタついたりダレたりしないように気をつけつつも発酵が進みすぎないようにも気を配ります。そうして焼き上がりにしっかり膨らんだのを見るとホッとします。

少しずつ酸味も増してきて、本格的な暑さがやってくる頃には酸味の強い夏のパンになります。カレーとも合うし、トマト料理との相性もよくこの組み合わせが好きだというスタッフも。

わたしたちの初夏のパン、ぜひ味わってみてください。