皆さん、こんにちは。grafの古屋です。
年の暮れが、すこしずつ近づいてきました。新しい年を迎える準備も、慌てず、静かにはじめたい頃。
今回は、愛媛県西予市の職人・上甲 清さんが、すべて手作業で仕立てる注連縄をご紹介します。
注連縄を飾る意味・時期は?
神様が降りた神聖な場所を示すものとして古くから用いられてきた「注連縄」。
新年の祝いなどのために家の入り口に注連縄を飾り、邪気を防ぎ、神様を迎えるのにふさわしい場所です、ということを示す意味合いがあります。
そして歳神様を迎え、一年の幸せと健康を願うのです。
「八」には「末広がり」という意味から12月28日に飾ると縁起が良く、正月飾りやしめ縄を飾るのに適しているとされています。
逆に、縁起が悪いとされる29日(二重苦)と31日(一夜飾り)は避ける風潮にあります。
歳神様がお家にやってくるのは12月31日の早朝といわれていますので、その日までに飾られることをおすすめします〇
祖父と孫が繋ぐ伝統工藝
上甲清さんは注連縄を作るために稲作をし、機械は使わず田植えや稲刈をおひとりでこなされています。90歳を超えているとは思えないほどのパワーと機敏さです。
その手仕事を「おじいちゃんの技を伝えたい」と支えているのが、お孫さんの智香さん。
二人三脚で続けられるこの営みは、絶対に守り受け継いでいきたい、土地に根づいた暮らしと工藝そのもののように感じられます。
縄の中心に位置している結びの形はお神輿の飾りから着想を得た「宝結び」と呼ばれる清さん独自のもの。
連続する無限を意味し、永久の繁栄、長寿、多幸などを願う吉祥紋と呼ばれ、年末に飾る注連縄として最適なかたちです。
上甲さん曰く、年末のお飾りとしてだけでなく、年中飾り、そのご利益にあずかる方も多いのだとか。長く飾ると稲の色味も変わり、経年変化も楽しめます。
「えびじめ」とは、関西の一部や四国で多く見られる、縄の先がエビのように反り返ったもののこと。 玄関に飾ると、空気がすっと整うような存在感があります。
商売繁盛の願いも込められています。贈り物にもおすすめです。
地元に根づいた工藝をもっともっとたくさんの人に知ってもらいたい!かっこいいおじいちゃんの姿を広めたい!という智香さんの熱い思いによって、その素晴らしい注連縄が日本中、世界中へと広まっています。
全国各地で大会やイベントにも参加。今年の8月末にはgraf porchにもお越しいただき、ワークショップを開催いたしました。
ひとつひとつ丁寧に作られた、思いのこもった注連縄です。上甲さんと智香さん、二人三脚で作る注連縄の歴史と愛情を感じながら、大切に飾っていただけると嬉しく思います。
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こんにちは graf(グラフ)です。
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大阪の中之島と豊中を拠点に、家具の製造・販売、グラフィックデ...もっと見る