現在のライフスタイルでは常に手放せない携帯電話(スマートフォン)で音楽を楽しむための、電源不要のウッドスピーカーを作りました。
このウッドスピーカーの仕組みは、原始的な楽器と同じような構造でいたってシンプル。スマートフォン下部のスピーカーから出る音を底のくぼみに反響させて拡張します。
また、スマートフォンから流れる電子音を木部に反響させることで、耳あたりが柔らかく心地よい響きになります。
スマートフォンをくぼみに対して垂直に立てるのが一番反響がよくお薦めの置き方ですが、例えば寝かせて置くなど、立てる角度や位置で響きが変わるので、色々な置き方を試して自分の好きな音の響き方を見つけることもできる、自由でアナログ的な楽しみのあるスピーカーです。
そして、その内側のくぼんだ形は、そのまま手に馴染む外側の形となっています。
また、車のドリンクホルダーに入るように兼ねた形なので、車内や外出先でも音楽を楽しむことができます。
ウッドスピーカーの定番材の一つとして選んだのが、エレキギターのボディのスタンダード材とも言われているアルダー(アメリカハンノキ)。
材は軽さと柔らかさがあり、低、中、高音域それぞれがバランスよく出るのが特徴です。
ホールの響きのような、耳当たりのいいアコースティックな響きが心地よいです。
穏やかな木目で、サクラのような赤味のある色味をしていますが、白を加えた植物系ウレタンオイルでその赤味を抑え、よりプレーンな仕様になっています。
アルダーと同じくエレキギターのボディによく使われるホワイトアッシュは、木そのものに重量があり、はっきりとした低音が出る一方で、高音域も力強く、メリハリのきいた明るい音が特徴です。
音の抜けがいいので、車内やアウトドアなど賑やかな場所でも聴き取りやすいです。
個体差の大きいはっきりとした木目で、その時々で出逢う楽しみのある樹種です。
※2つの樹種の音の違いについて、製作動画内でも触れているのでご覧ください。
スピーカーの背面にあるコード用の縦スリットは、スマートフォンを充電しながら聴けるように。
そして、音楽を聴いていない時もスマートフォン用のスタンドとして使えます。
また、そのスリットはスマートフォンを垂直に立てる時の補助にもなります。
底のくぼみに反響させるシンプルな作りなので、スピーカーを置く場所によってもその音の反響に違いが出ます。
例えば、重厚な板の上に置けば音はより力強く響き、箱の中など周りを囲われた場所ではまた違った響き方がします。高いところに置くと音が降ってくるような感覚があり、低いところに置くとスピーカーで反響した音がダイレクトに聴こえます。
ずっと使い続けられること、それはアトリエヨクトのものづくりの指針のひとつ。素材やつくりが長年の使用に耐えられたとしても、使い勝手が時代のライフスタイルに沿わなくなったら用をなさなくなってしまいます。
なので、使い手がいろいろな使い方を工夫できる可能性と、飽きないシンプルなデザインを心がけ、使えば使うほど愛着が湧くものづくりが大切だと思っています。
このウッドスピーカーは、もしスマートフォンを使わなくなっても、ペン立てとして、メガネスタンドとして、もしくは何かの置き場として、時代にとらわれずに使うことができます。
German Design Award 2018 受賞
ドイツのデザイン賞「German Design Award 2018」Entertainment部門 Winnerを受賞しました
・長時間の直射日光や浸水は、割れや変形などの原因となりますのでご注意ください。
・汚れた際には、食器を洗う時と同じように中性洗剤で洗い、すぐに布で拭き取り乾かしてください(食器洗浄機のご使用はお控えください)。
・1〜2年毎にクリーナーオイルや、木部用クリアの自然オイルなどを塗布後よく拭き取っていただくと、保護するだけでなく更にいい艶や味が出てくるのでお薦めです。
また、事前にご連絡の上アトリエまで直接お持ちいただければ無料で塗布させていただきます。
もし破損することなどがありましたら、程度によっては修理をお受けしています(送料ご負担、要修理実費)。ご相談ください。
※材は無垢のものになるため、木目、色味はそれぞれ異なり節などの現れ方にも個体差がありますことをご了承ください。
※掲載している商品画像の色味は、ご利用環境の特性や設定によって色合いや素材感が異なって表現される場合があります。予めご了承の上、ご注文をお願いいたします。
左:ホワイトアッシュ、右:アルダー