自然の植物から抽出した色を使って布地を染める「草木染め」。
日本では、古くは縄文時代から、植物・貝などからとれる色を利用し染め物をしていたといわれています。

花や茎、根から樹皮まで、植物のさまざまな部分から色は生まれます。
同じ種類の植物でも、出る色味は産地や個体ごとに少しずつ違いますので、その草木の個性のようなものが感じられるのです。

本日は、そんな草木染めで作られたのアイテムや、家庭で簡単に楽しめる染めキットについて、ご紹介したいと思います。

草木染めと反応染め（化学染料を使った染め）との主な違いとして、草木染めの方が”色の経年変化がより強く感じられる”という点が挙げられます。

人も時を重ねることで見た目や内面に変化が出てくるように、草木染めも同じように時を経て風合いを変えます。
その変化によって、一緒の時間を過ごしてきたものとしての思い入れや、温かみが生まれてきます。
個人の生活スタイルによって変化のスピードも違いますので、あなたの日常と一緒に変わっていく草木染めをお楽しみください。

その昔、en・nichiがある東北・岩手には山や川、草木や獣たちと共に生きてきた何にも変えがたい暮らしがありました。
そんな自然の恵みへの感謝と物を大切にしてきた暮らしを想い、en・nichiの草木染めでは、木材加工などの工程で発生する、本来捨てられてしまうような部分から色をとるという方法で染められています。

「せっかくの山の資源、最後まで使わなければもったいない。」
草木染めを見つめ、自然の恵への感謝を思い出し、自然の素朴さ・優しさを纏いながら過ごす日々。
東北の暮らしを丁寧に紐解き、人や自然を繋ぐ真摯なものづくりを、今日も私たちは目指しています。

胡桃染めは２種類のワンピースに使用されています。
色は胡桃の木の樹皮から抽出したもので、優しいブラウンに染まります。

漆染めは、チップ状に加工された木部から色をとっています。
漆塗りに使われる樹液は、肌かぶれを起こすことが知られていますが、こちらの樹皮からとった色で染めたものはかぶれを起こすことはありませんのでご安心ください。
色はこちらもブラウン系に染まります。

以前から販売されているAIZOME KITに続き、本日からキナリノモールでも発売となりました「KUSAKIZOME KIT」は、草木から採れる、ふんわりとしたやさしい色合いの染めをお楽しみいただけるキットです。
色は「茜（あかね）」からとれる「赤」と、「槐（えんじゅ）」からとれる「黄」の2色セット。

手ぬぐい生地も２枚同封されていますので、それぞれの染め上がりをお楽しみいただけます。

自分だけの染めものができるen・nichiの２種類の染めキット。

同封されている生地以外にも、綿100%、天然素材の生地であれば染めることができるので、色褪せてしまったTシャツや小物を染め直して、アレンジしてみるのも良いかもしれません。

染めてすぐのものは色落ちする可能性が高いので、お洗濯は別にしたり、色移りしそうな物との接触にはお気をつけください。

外へ出かけるにも暑い日々。
今年はお家で涼やかに、染めものを楽しんでみるのもおすすめです。