こんにちは！

『ferm LIVING Stories』のお時間です。
デンマークを代表するレストラン Noma でシェフとして働くため、
カナダから移住してきた David Zilberさん。
発酵食品の錬金術師として自身の好奇心を追求する彼の自宅とは、
いったいどんな感じなのか気になります！

最後までゆっくりお楽しみください。

David はパートナーである
スウェーデン人のハンドバッグデザイナー、
Matilda Venczel と、二人の息子 Io（9ヶ月）と一緒に暮らしている。

David と Matilda は、8年前、
Matilda が友人を訪ねていたコペンハーゲンで偶然出会った。
当時、彼女はスウェーデン北部の森の近くの
小さな家で暮らしており、
革小物のインハウスデザイナーとして働いていた。
現在は質のいい鞄や革小物を扱う、
自身のブランド「Venczel」を経営。
それと同時に彼女は「Mugler」のバッグのコンサルタントも務めている。

ふたりの共同住宅は、
お互いの芸術的かつプロフェッショナルな努力と、
創造性、デザイン、そしてもちろん Io という共通の情熱を反映している。


（David）
子どもが生まれると、空間の使い方や暮らし方に
実用的なロジスティックが生まれるのは確かですね。
Matilda は2つ目の寝室を仕事場として使っていましたが、
今は Io の部屋になっています。
手作りのちょっと危ないコーヒーテーブルは、
角の丸いものに変えなくちゃいけなかったけど、
新たな可能性ももたらされたと思います。
この赤いラウンジチェア、
以前はあまり好きではなかったけど
今はここに座って Io と遊んでいます。
キッチンを除けば、ここはお気に入りの場所の一つになりました。

なぜキッチンが David にとって
家の中でも重要な場所の一つなのかというのは、
彼の職業を考えれば簡単に理解できる。


（David）
自宅のキッチンに対する思いは、
ガレージバンドをやっている父親と比べられるでしょう。
シェフを辞めたときほど料理と作ったことはありません。
Torvehallerne の市場に行って、
何かいいのはないかなって見ているんです。
Matilda のためにたくさんご飯を作っていますよ。



David が言うには料理の分担の割合は95対5で、
そのほとんどを彼が担っているそう。
ただ Matilda 曰く、実際はほぼ98対2とのこと。


（Matilda）
前までは、彼が知らないような
伝統的なスウェーデン料理を彼のために作っていましたが、
今では彼も完璧に作れるようになってしまったんです！



自分の父親の料理を楽しむには現時点で Io はまだ少し幼いが、
David は Io に好物を作ってあげることを楽しみにしている。


（David）
マカロニ＆チーズ。
もっと言えば、僕の母親のレシピの「マカロニ＆チーズ」を作ってあげたいです。
もし Io がこれを気に入らなかったら、きっと打ちのめされるでしょうね！

インテリアを選ぶとなると、
「誰も持っていないけど、みんなが欲しがるようなものを見つけようとする人。
こんな風になったきっかけは、Matilda がくれたジャケットなんです。
でも子供の頃から、アートも含めていつも何か作っていましたね」
と、David は自分のことをこのように説明した。


今の二人の家には二つのスタイルの融合が反映している。
オープンキッチンとリビングルームの壁一面には
大きな本棚があり、料理本、科学の本、小説などが並んでいた。
友人でありアーティスト・デザインデュオの Soft Baroque が作った、
大理石の脱構築フラワーベースのような特注品は、
Matilda が（自分の家を持つなんてまだまだ先の！）10代の頃に購入した
1970年代のイタリア製ダイニングチェア4脚とスタイリングされている。

家という概念と、
それが自分にとってどんな意味を持つのか
David に尋ねてみると、少し考えてこう答えた。


（David）
『家とは自分に帰る場所だ』と、
誰かが言っていたのを聞いたことがあります。
わたし自身、色々な場所を飛び回っていた人間なのでよくわかります。
一度も引っ越したことのない人にはわからないでしょう。
家とは、戻ってきたいと思える場所なのだと思います。
アート作品、愛する人たちの写真や
何かを感じさせるもののあるデザイン作品など、
時間の経過とともに最高の思い出で溢れる場所。
それが素晴らしいものであれば、何かを感じさせ続けてくれるはずです。
引っ越したとしても、自分の持ち物は持っていき、
別の場所でもう一度自分の家を作るのです。



＊＊＊

いかがでしたでしょうか。

子どもが生まれて変化するインテリア事情。
「わかるよ！」という方もいらっしゃるのではないでしょうか？
Davidさんの場合は、赤いラウンジチェアに変化が訪れたようですね。


また、世界を飛び回ったからこそわかる「家の概念」。
興味深くて、もし自分が引っ越しを経験せず暮らしていたら
どんな部屋で暮らしていたんだろうと想像してしまいました。

みなさんはどうですか？
もしも引っ越しをしなかったら / 引っ越しをしたら、
今どんな暮らしをしているんでしょうね？
よりその人の大切なものが浮き彫りになる気がして、
それだけで一晩語り明かせそうです。


それでは、次回もお楽しみに。



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