廃棄されるはずだったカカオの殻から染料を抽出し、厚手の綿・リネン生地を「引き染め」という技法で染め上げた「V TOP CACAO」が宝島染工から届きました。

鹿児島県でカカオ豆からチョコレートバーを製造する「kiitos」には、製造過程で出てしまうカカオ豆の殻や薄皮をどうかにしたいという悩みがありました。自分たちでカカオの殻を使って染色に挑戦してみましたが、どうもうまくいきません。

そこで天然染料を使った染色技術と加工で服作りを続ける宝島染工でテストを重ねてみると、ようやく「カカオ」のイメージに近い色を出せるようになりました。生地も太番手の糸で仕立てられたしっかりとした厚手のものを選んでいます。

生地の染め上がりに裏表が出ることや、柄を施したときに柔らかな線あがりになる「引き染め」は濃い色の染色がしやすい点もあります。カカオの殻と「引き染め」の相性がよいということで、このV TOP CACAOが完成しました。

捨てるものから生まれてくるもの、つながっていくもの。今回の挑戦をきっかけに、宝島染工では全国各地で捨てられるはずだったカカオの殻を集めて再利用していく取り組み「カカオでつながる」が始まろうとしています。

太い番手の生地に大ぶりながら直線を多く取り入れたデザインになっており、染めの美しさをシンプルに味わえるV TOP CACAO。ゆったりとしたサイズで腰回りぐらいの丈感ですので、ハイウエストのボトムスやロングスカートとあわせてみて。衣服とともに年齢を重ねながら幅広い着こなしができそうです。