こんにちは、バイヤーの畠田です。
暑さで食欲が落ちるこの時期、我が家では冷たくて食べやすいサラダを作る頻度が多くなります。そんな時に重宝しているのが、削りたてのかつお節。ドレッシングの量を減らしても、かつお節をかけるだけで十分おいしく、野菜をもりもりと食べられます。台屋の鰹節削り器を使い始めてしばらく経ちましたが、かつお節ってこんなにおいしいものだったのか!と、かつお節の概念がアップデートされました。
食欲のない時は、サラダに削りたてかつお節
これまでかつお節は、焼きそばや冷奴にかけるトッピング、もしくは出汁をとる時に使うもの、というイメージで、私の中ではあくまで脇役的な存在でした。でも、削りたてのかつお節の美味しさを知ってからというもの、「食材」や「調味料」に近い印象になりました。お好み焼きや焼きそばなど、ソースやマヨネーズなどの濃い味の調味料と合わせると、かつお節の存在って消えてしまいがちだと思うのですが、削りたてのかつお節は、しっかりと風味を感じられて、料理のおいしさを倍増させてくれるのです。
今まで「かつお節を食べたい!」と思ったことはなかったのですが、削りたてのおいしさを知ってからというものの、かつお節を積極的にかけるようになりました。パック詰めのかつお節も余らせがちだった我が家。本枯節一本を買い求めた時は、「この1本、最後まで消費できるかな…?」と正直心配だったのですが、消費量が増えたこともあり、今では本枯節も削りを重ねて随分小さくなってきました。これまでより一層食卓での活躍の幅が広がったように思います。
最近のお気に入りは、トマトにかけて食べること。カットしただけのトマトに、鰹節をかけ、醤油をほんの少し垂らして食べる、これがまあおいしいのです。もっとさっぱり食べたい時は、かつお節+千切り生姜+酢+オリーブオイルでマリネ風にしたり。いまが旬のトマト、パクパク食べられるのであっという間になくなってしまいます。
どうしてこんなにおいしいのかな、と思ったら、きちんと理由がありました。かつお節には、三大うまみ成分のうちのひとつ「イノシン酸」がたくさん含まれています。一方、野菜には「グルタミン酸」が豊富です。うまみ成分は、他のうまみ成分と組み合わせると相乗効果でさらにおいしくなる、というのはご存知の方も多いはず(かつおと昆布をあわせて出汁をとるのもこれが理由ですね)。中でもトマトや白菜はこのグルタミン酸が特に多く含まれているそうで、かつお節のイノシン酸と組み合わさることで、塩分控えめでもしっかりとおいしさが感じられる、というわけです。
シンプルなグリーンサラダでも、かつお節をかけるだけで、うんと満足感が増します。パックの鰹節でも十分おいしいのですが、やっぱり削りたてだと風味がよく、しっかりとかつお節のおいしさを感じられます。夏バテで食欲がない、素麺も食べ飽きた、という時は、サラダに鰹節をぜひお試しいただきたいです。
かつお節でとった出汁がおいしく、顆粒だしをあまり使わなくなったので、空いた保存容器で保管しています
今日は削るのがちょっと面倒……という時もあるので、最近は、ある程度の量をまとめて削って密閉容器に保管しています。かつお節は削ってからすぐに鮮度が落ちてしまうため、本当は「都度削る」が一番なのですが、生活に合わせて無理のない方法をとっています。削って保存しておいても、これまで食べていたパックの鰹節よりと比べると格段に風味がよく、満足度の高い鰹節を楽しめますよ。
ちなみに、つくり手である山谷製作所の代表・山谷さんの小学生の息子さんは、削りたてのかつお節をかけたご飯が大好きで、おやつ代わりに食べたりするんだそう。こんなおいしいかつお節をこどもの頃から食べられるとは……!と羨ましくなります。「かつお節を自分で削る」というのは道具も必要で、時間も手間もかかりますが、私はこの鰹節削り器に出会って、はじめてかつお節の本当のおいしさを知ることができたように思います。一手間をかけるからこそ出会えるおいしさ、ぜひ皆様にもお届けできれば幸いです。
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