PINT立ち上げ当初から、お盆(トレー)を扱いたいと試行錯誤を重ねていました。木で製作したり、金属でも考えたり試作したりしていたのですが、昔買って店に置いてある古いものの方が好きだったりして、長い間定番扱いのなかったのがお盆です。
箸や箸箱、カトラリーの製作をお願いしている高野竹工の工房に訪問した際、サンプルとして置いてあった寄竹の盆の形に魅力を感じました。その実物は本品とは違う仕上げ方法だったのですが、他の器で使われていた「和紙貼り+黒漆+白漆」の一閑張(いっかんばり)を組み合わせて、別注仕様として作ってくださいました。一閑張は、木や竹の本体に和紙を張り、漆や柿渋を塗る技法。独特な風合いもあり、強度も増します。
お盆本体は、寄竹という竹の集成材を使っています。寄竹は普段ほとんど使わず、できるだけ無垢材を使っていますが、こうした面の広いものでは、無垢材では価格がかなり高額になってしまうことと、厚みが出てしまったり、反りが発生する可能性も高まり、使い勝手も踏まえると長所が出にくい面があります。一閑張や拭き漆であれば、面に対して和紙・漆による層が出来て経年変化もそのまま楽しめるため、寄竹の良さが生きると考え、選んでいます。
表面のみ一閑張です。表面に和紙を貼り、黒漆と白漆を塗り重ねています。裏面は和紙は貼らずに拭き漆仕上げ。生地本体が薄く見えます。
表面の、和紙と黒漆と白漆の合わせがこの色と質感を出していて、一見土や金属にも見えます。硬く見えて柔らかさもあり、重く見えてそこまで重量感はなく、素材が組み合わさってできる不思議な質感です。このような製法のため、1点ずつ色味の仕上がりは異なります。
形はシンプルで、潔さがあります。正方形で、縁の立ち上がりは持ちやすく見た目のバランスも美しいです。
面はしっかり広いので、お盆としてだけでなく、折敷のように使うのにも適しています。
この四角盆の素材、色、形ともに、器の素材や和洋食器問わず、相性がとても良いです。お盆として持ち運ぶだけでなく、食器が並ぶ大テーブルの中央に置いて器を並べても。また、作りとしてはいわゆる漆器と同じですので、食器として直接盛り付けにお使いいただくことも可能です。
店頭でのみしばらく販売を先行して行っていましたが、飲食店や料理のお仕事をされている方にもよく選ばれています。
かなり堅牢な仕様になっています。使う場面もたくさんで、長く長く使っていただきたい道具です。価格はしますが、見合ったものができました。ずっと使うお盆をお探しの方、使うイメージが浮かんだ方にお選びいただけたら嬉しいです。
・食洗機のご使用、浸け置き洗いはお避けください。
・硬いブラシやスポンジで洗うことはお避けください。漆の塗膜が削れることがあります。
・洗剤は問題なくご使用いただけます。硬すぎないブラシやスポンジ等で洗ってください。
・長時間、直射日光に当てることはできるだけお避けください。変色や色褪せ、反りや割れが生じることがあります。
パソコンのモニター環境や携帯電話の機種・設定によって、商品の色味や素材感などが実物と異なって見える場合がございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。
- カテゴリ
- 生活雑貨 > 食器・カトラリー > お盆・トレー
- ブランド
- PINT
- シリーズ
- 漆
- 素材
- 寄竹(竹集成材)
和紙
漆
- サイズ
- 33 × 33 × 1.8cm
- 仕様
- 表面|一閑張(和紙貼り・黒漆・白漆塗り)
裏面|黒漆・白漆 拭き漆
- 生産地
- 京都
- 外装
- 専用箱入り
- 備考
- *漆の塗り重ねのため、一点一点、色味に若干の差が生じる場合があります。
*お盆の裏側に節部分の僅かな擦れのような箇所が入る場合がありますが、傷ではなく、竹の節部分に稀に生じる現象です。素材の特性として、ご了承ください。