わざわざでは様々な種類のせっけん製品を取り扱っています。せっけんは他の洗浄剤と何が違うの？せっけんのいいところって何？なぜせっけんを薦めるの？「使い心地がいいから」「よく汚れが落ちるから」といった機能面だけではなく、せっけんがどのように生まれ、どのように還っていくのか。みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

せっけんは約5000年以上も前から使われてきた汚れを落とす為の洗浄剤です。水と油のように本来は混ざり合わない性質を持つもの同士をなじませることで、汚れを水に溶かして落とす働きをします。

この「混ざり合わない性質を持つもの同士をなじませる」性質のものは界面活性剤と呼ばれ、洗剤の他にも食品や化粧品、医薬品など私たちの身近で多く使われています。家庭用品品質表示法では、洗剤に使用する界面活性剤を“石鹸”と“合成界面活性剤”に分けて表示しています。

一体なぜ、せっけんだけが別枠なのでしょうか？それはその製法や特性に大きな違いがあるから。せっけんを見分ける方法は、商品パッケージの表記を確認すると一目瞭然です。

品名に”石鹸”や”石けん”と記載があれば、それは石鹸。それ以外の表記のものは合成洗剤か、その他の洗浄剤（重層や炭酸ソーダ、クエン酸など）ということになります。

合成界面活性剤を主成分とした洗剤は「合成洗剤」と呼ばれています。石けん洗剤と合成洗剤は、その原料や製造工程、添加物まで大きく異なります。石けんは天然の動物・植物製の油脂をアルカリで煮て作られ、非常にシンプルな成分と製法で作られています。

一方、合成洗剤は主に石油から作られ、複雑な化学合成を何度も繰り返して作られています。またその多くには酵素、蛍光増白剤、再汚染防止剤などの副原料が配合されており、その強力な洗浄力ゆえに環境に排出された後も分解しにくいという特徴があります。

せっけんは、泡がたっぷり豊富な状態では界面活性がよく働くのに対し、泡の無い状態ではその働きを容易に失うという大きな特性があります。化粧せっけん、せっけんシャンプーにおいても、水で洗い流すとそれ以上皮脂を取ることがありません。

人体や環境への影響を考えた時、ここが大きな利点になります。肌への刺激が少ない洗浄剤を選び、肌の油分を取りすぎないことが、肌をケアする上では重要です。

また河川に排出された後、石けんカスは微生物の栄養源となり、最長2週間で水と二酸化炭素に最終分解されます｡自然環境へ過大な負荷をかけないところも、せっけんの特性でしょう｡

このように多くの利点のあるせっけんですが、使い方次第では本来の働きを十分発揮できず、洗浄力が弱かったり、石けんカスが残ったり、洗濯物が黄ばんだりすることもあります。

せっけんは、水で薄まるだけで簡単に界面活性を失い洗浄力がなくなります。洗浄中はしっかりと泡が保たれているかを確認します。もし泡が消えていたらせっけんを足しましょう。

洗浄力の元となっている脂肪酸という物質は20度以下の冷水には溶けにくい性質があります。洗顔の場合はぬるま湯でよく泡立てること。洗濯の場合はお風呂の残り湯などのぬるま湯を使い、先にしっかりと溶かして泡立ててからお使いください。

せっけんでお皿洗いをする場合は流水すすぎをしましょう。溜めすすぎをすると水中に漂い出た汚れがお皿に再付着してしまいます。せっけんシャンプーを使用の際はよくすすぎ、せっけんカスを洗い流しましょう。指通りの悪さやベタつきの原因になる場合があります。お洗濯の場合もすすぎは2回行いましょう。

せっけん洗剤でお洗濯をする場合、洗剤使用量の目安は汚れ具合によって異なります。例えば洗濯槽が汚れていれば、その分洗剤も多く使うことになります。合成洗剤から石けん洗剤の使用に初めて切り替える方は、まず洗濯槽のお掃除を行ってから使用することをおすすめします。（※洗濯槽のお掃除には、洗濯機洗い粉や酸素系漂白剤がおすすめです）

せっけんは枠練りや機械練りなどの製法の違い、シア脂や精油などの添加物の違い、固形や液体など形状の違いなど、種類も用途も特徴も様々で、どれを使ったらいいのか悩んでしまいます。直接肌にふれる化粧せっけんなら尚更ですよね。

そこで、わざわざで取扱いのある化粧せっけん6種類を比較してみました。成分の違いや使い心地の違いなどを参考に、肌に合うせっけんを選んでみてくださいね。

検証1.泡立ち（泡の滑らかさ、キメの細かさ）： 泡が肌に触れる時に受ける感触です。肌の上に伸びる泡の滑らかさ、細かさ、泡の持続性を表します。星が多いほど泡がキメ細やかで滑りが良く、持続性があるということです。

検証2.洗浄力（泡を洗い流した瞬間のさっぱり感）： 泡を洗い流した時の泡切れの良さ、キュキュッと脱脂する感覚を示します。星が多いほどキュッと皮脂や汚れを落としてくれる感覚があるということです。

検証3.保湿感（拭き終わったあとに残るしっとり感）： 泡を洗い流して拭き終えた後に残る肌感覚です。星が多いほど、肌がほかほかしっとりと包まれている感覚が残っていることを示しています。

さあ、それでは早速見ていきましょう！

【イチオシポイント】
釜焚き＋枠練りの職人技が光る、まじめで丁寧に作られたせっけん。さっぱり好きにおすすめ。

・泡立ち　★★★☆☆
・洗浄力　★★★★★
・保湿感　★★★★☆

天然油脂原料を10トンの釜で約100時間かけて焚き上げ、純度の高い粘性に優れたせっけん素地を作り、それを約20日間ほど乾燥熟成する枠練り製法で作られたせっけんです。鍛錬された職人の技が必要な製法で、溶け崩れが無く最後まで気持ち良く使えます。

程よい泡立ち、泡切れは抜群。キュキュッと洗い上げる気持ち良さがあります。成分にシア脂をプラスしているので洗顔後の水分蒸散を防いでくれます。

【イチオシポイント】
無添加にこだわった、低刺激で安心して使えるせっけん。コストパフォーマンスも◎。

・泡立ち　★★★☆☆
・洗浄力　★★★★★
・保湿感　★★★☆☆

純石けん分98%。合成界面活性剤・鉱物油・香料・着色料・防腐剤無添加のせっけんです。釜焚きされた素地を枠練り製法で作り、原材料もせっけん素地とトコフェロール(大豆から抽出した天然ビタミンE)のみ。

シンプルな素材の無添加せっけんなのでお肌が敏感な方や小さなお子様にも安心してお使いいただけます。程よい泡立ちで泡切れが良く、さっぱりとした使い心地です。この価格でこの品質の良さには驚き！

【イチオシポイント】
品質の良さと癒される心地よさの一挙両得。パッケージも可愛くてプレゼントにも喜ばれる。

・泡立ち　★★★☆☆
・洗浄力　★★★★☆
・保湿感　★★★★☆

釜焚き製法の石けん素地をベースに、ラベンダー花から水蒸気蒸留法で抽出した天然精油（エッセンシャルオイル）を配合したせっけんです。泡立ちの瞬間からほのかに香るラベンダーが心地よくて癒されます。

ボディソープやハンドソープなどシリーズで揃えて使いたい。サッと泡が切れ、さっぱりとした洗い上がり、拭きあげ後はスベスベ感があります。プレゼントにもおすすめ。

【イチオシポイント】
釜焚き製法の品質の良さ＋癒される香り＋さっぱり感。ニキビも防いでくれる満足感の高いせっけん。

・泡立ち　★★★☆☆
・洗浄力　★★★★☆
・保湿感　★★★★☆

釜焚き製法の石けん素地をベースに、ローズマリーの全草から水蒸気蒸留法で抽出した天然精油(エッセンシャルオイル)と、肌を爽快にするローズマリーエキスを配合しています。

ローズマリーは飽きの来ない優しい香り。ニキビも防いでくれるという爽快感も人気です。暑い季節にもおすすめ。ローズマリーのヘアケアアイテムも取り扱っているので、シリーズで揃えて使いたいせっけんです。

【イチオシポイント】
刺激がないので敏感肌や小さなお子様にもおすすめ。この価格でこのきめ細やかな泡の高品質に驚きます！

・泡立ち　★★★★★
・洗浄力　★★★☆☆
・保湿感　★★★★☆

長野県佐久市の福祉施設が製造し販売を行っているねば塾。この品質の高さには定評があり、リピーターが多いのも頷けます。大豆油、菜種油、パーム油など植物性の石鹸素地を使い色素、香料、保存料などの化学薬品を一切使わずに作られた無添加の化粧石鹸です。

驚くのは泡のキメ細やかさ。濃密な泡で伸びもよく、泡持ちが良いのも特徴です。洗い上りは適度なしっとり感。刺激も少なく、ふんわりと優しく洗い上げてくれます。

【イチオシポイント】
これぞ最高品質！肌が喜ぶしっとり感とラベンダーの香りに癒されるとっておきのせっけん。

・泡立ち　★★★★☆
・洗浄力　★★★☆☆
・保湿感　★★★★★

うちだ農場は、わざわざのある長野県東御市で無農薬・無化学肥料に加え、有機肥料も減らして野菜全般を作り、味噌やトマトソース等の加工品も手掛けています。このうちだ農場さんとねば塾の共同開発によって誕生した米ぬかの化粧せっけんです。

無農薬栽培されたパーム、ヤシの油を昔ながらの窯焚き製法でつくったオーガニックの石鹸素地に、うちだ農場の無農薬で育てられた米ぬかのエキスとラベンダー油、ゼオライトを練りこんでいます。このせっけんの特徴は何と言っても洗い上がりのしっとり感。とにかく刺激を押さえ、上品なラベンダーの香りにも癒される。満足度の高いとっておきのせっけんです。

せっけんはシンプルな成分で作られた、人体に優しく環境にも配慮された昔ながらの洗浄剤。今この時の1回の洗浄が、環境に、自分のお肌に、どのように影響するのか。ひとりひとりが考え行動することで未来はまた少し良い方向に変わっていくかもしれません。