わざわざはパンと日用品の店。「自分たちが使って良いと思うものを販売する」というスタイルでやってきたが、世の中に販売されているものの中に、自分たちが使いたいものが見つからないことが時折あった。そんな時、パンを焼くように商品を作ってみるのはどうだろうと考えるようになった。
パンの作り方で、 商品を作ってみたかった
オリジナルのパン屋のエプロン。自分たちが心から欲しいものを作る。
わざわざはパンと日用品の店。「自分たちが使って良いと思うものを販売する」というスタイルでやってきたが、世の中に販売されているものの中に、自分たちが使いたいものが見つからないことが時折あった。そんな時、パンを焼くように商品を作ってみるのはどうだろうと考えるようになった。
わざわざではパンを捨てたことがない。だが、世の中に存在する多くのパン屋が売れ残ったパンを捨てている。夕方にパンを焼かなければ、棚がスカスカになり見栄えがせずお客様が来なくなる。それは機会損失だといって、あらかじめ捨てるパンを経費に計上して原価を計算するのを、ロス率という言葉で表したりするのが嫌だった。
食べ物は粗末にしてはいけないし、捨てるために作られるべきではない。商売のためにロス率なんて言葉で、捨てることを正当化してしまうことだけはしたくなかった。
定量を作り、定量を売る
どうやったら余らず一定量のパンを作って供給できるのかを考え続けた。毎日の販売量を推察することはほぼ無理だと言っていい。お客様の気分も、天気も、いくらデータとにらめっこしてもわかることはない。
一定量を焼き、一定量を売る。これが最もシンプルで生産効率がよく、人間の労働とパンの品質の双方が安心である。厳選した材料で作る、健康的で食事に合うシンプルなパンを、需要と供給バランスを見て最適な数で生産するには、販売量を調節するのがもっとも良いだろう。
実店舗とオンラインストアでパンを販売し、実店舗の繁忙期にはオンラインストアでの供給量を減らし、実店舗の閑散期にはオンラインストアでの供給量を増やす。この方式で現在も、需要と供給に見合った量のパンを製造し、定量を販売できている。
作る人、売る人、買う人 三方によいものづくりを
パンの作り方と同じように、材料や工程を吟味して、この世に商品を送り出すのはどうだろう。
わたし達がどうしても欲しい商品で、世の中に見当たらないもの。ユーザーにとっても丈夫で長持ちして買った後に後悔しないもの。工場にとっても生産効率がよく利益が出て、作る甲斐のあるもの。作る人、売る人、買う人の三方にとってよい商品を。
わざわざにとってパンが一つのプロダクトだったように。コンセプトと作り方と売り方が一致するように、欲しい商品を作りたい。そんな気持ちからわざわざのものづくりは始まった。
最初のわざわざオリジナルはリブウール靴下だった。初登場から2度のリニューアルを経て、現在も改良中。
ものづくりのルール
1.世の中に見当たらないから作る
自分の心にぴったりフィットするものって、なかなか見つけられない。わざわざが全国を周りいろんなものを探し歩いてきて思うこと。あれのここがちょっとこうなっていたらいいのに、ここさえ良ければ100点なのだけど、どうしても見つからなかった時には自分たちで作ろう。そういうものを探している同じような感覚の人がきっといるはず。痒いところに手が届く自分たちが本当に欲しいものを作りたい。
毎日洗えて清潔ですぐ乾いて、シンプルで余計な金具もついていなくて、誰でも似合う帽子が欲しくて作ったのが「パン屋の帽子」です。
2.工場の技術を活かし、生産効率のよい作り方を目指す
わたし達はこんなものを作りたいけれど、作り方をよく知らない。だから最初に工場に勉強に伺ってどんなことができるのか、どんな技術が得意なのかを知ることからわざわざのものづくりはスタートする。長く愛される定番商品を作りロングセラーになれば、工場の経営は安定するかもしれない。生産過程でロスが出にくい仕様になれば工場の利益も高まり、お客様にも適正な価格で提供することができる。工場と協働して作るのがきっと誰にとってもいいはず。
3.丈夫で長持ち、ゴミになりにくいものづくり
自分で選んで買ったものが、自分にとって良いものであった時、人は嬉しい。丈夫で長持ち、ずっと使っていても飽きのこないものには愛着がわく。そんなものを選んだ自分が誇らしくも思える。使っても壊れない耐久性の高い商品は、いつまでも人に愛されて捨てられない。ゴミにならないものを作りたい。買う前から買ったものはいつか必ずゴミになることを忘れずにものづくりをしていきたい。
パン屋が着ても大丈夫がコンセプトのパン屋のTシャツ。耐久性と作業性を追求した。
わざわざ|パン屋のTシャツ 長袖 シャツ ロンT ユニセックス
4.ゴミになりそうな、余っている資源を活かす
全国の工場に通っていると、たくさんの困り事を目撃する。足繁く通うことで見えてくる新しい視点が「本当にものづくりをする必要があるのか?」だった。工場は従来のものづくりのシステムに困っている。余った材料、大量に売れ残った商品、厳しい検品で出荷できなかったいわゆるB品。そういった品々に新しい命を吹き込み、世の中に送り出したい。
2足1500円の残糸ソックス。倉庫に眠ったままの大量の糸を再生する。
5. NO PLASTIC
工場に通ううちにゴミになるものを作りたくないという思いがどんどん強くなっていった。海洋プラスチックも世界的に問題になっている。できることから始めよう。まずわざわざのオリジナル製品からプラスチックごみが出ない仕様に変更していくことに決めた。すぐ捨ててしまうビニール袋を使わず、徐々にプラスチックの個包装から切り替えている。ゆくゆくはわざわざで買い物をするとごみが殆ど出ないというしくみを作るのが目標である。
わざわざザンシンバッグのパッケージは印刷会社の残紙を使い、靴下の端材で巻く。作る時も使う時にもゴミが出ない仕組みに。
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わざわざでは、薪窯で焼いた自家製酵母のカンパーニュと、超長時間発酵の微量イーストの角食(食パン)の2つを柱にパンを焼いています。毎日食べる日々の糧になるのは食事用のパンだけというポリシーで、お客様の健康を損なうことがない健康的なパンを目指しています。
ストア紹介
パンと日用品の店 わざわざ
パンと日用品の店〈わざわざ〉は長野県東御市御牧原の山の上にポツンと佇む小さなお店。“よき生活者になる”を合言葉に、薪窯で焼いたパンと、食と生活それぞれの面から、独自の選定基準を定めて自分たちが心からよいと...もっと見る