沖縄県那覇市で300年続く壺屋焼の窯元「育陶園」の器が久しぶりに入荷しました。育陶園では沖縄の素材(土や釉薬)にこだわり、沖縄の気候風土と壺屋という環境の中で職人の手によってひとつひとつ丁寧にやちむんづくりに取り組んでいます。
沖縄の粘土は鉄分の多い赤土です。そこに白い土をかけて白い器のようにみせています。白土は貴重でそうやってお化粧して作ったのが始まりなのだとか。
また、昔は素焼きをせずにそのまま焼いていたのが伝統だったということですが、今では強度をあげるために、素焼きをして、仕上げをしてからもう一度焼くのが、一般的になったそうです。薄造りにすると割れやすくなるため、沖縄のやちむんは、ぽってりとした厚みと白化粧に模様が施されたのが特徴です。
わざわざで取り扱っている育陶園の器は、柄で3シリーズに分けられます。こちらは沖縄のやちむんらしい華やかなデザインです。内側は落ち着いた色味で、ご飯を引き立ててくれます。
カレーを盛り付けたこちらの器は「唐草線彫」。線彫という技法で繊細な唐草模様をリズム良く削ることで柄を表現しています。沖縄のやちむんと言えばおおらかな絵付けをイメージしていましたが、この作業を見た時に、おおらかさと緻密さの融合した新たな視点を見たような気がしました。とっても美しい器です。
白化粧を彫刻刀で削って模様を入れています。彫刻刀も手作り。
そしてこちらが、しなやかに泳ぐ魚の文様が美しい「魚文線彫」。線彫の技法を用いた作品の中でも、こちらは生産数量の少ない人気のシリーズです。落ち着いた色味でありながらもひしひしと伝わってくる魚の躍動感は、食卓でいい塩梅に目を引く存在となってくれることでしょう。
育陶園|やちむん 白魚文線彫 フリーカップ マグカップ
育陶園の器は日常の食材や惣菜がよく似合います。それは、まるでひとつの家族のようなチームで作っている器だからこそ、かもしれません。食材をあたたかく包んでくれるような心地よい優しさがあります。この夏の食卓にぜひ取り入れていただきたい器です。
ストア紹介
パンと日用品の店 わざわざ
パンと日用品の店〈わざわざ〉は長野県東御市御牧原の山の上にポツンと佇む小さなお店。“よき生活者になる”を合言葉に、薪窯で焼いたパンと、食と生活それぞれの面から、独自の選定基準を定めて自分たちが心からよいと...もっと見る