福岡県にある宝島染工。化学染料が使用されるようになった十九世紀半ばまでは、全て天然染料で染め上げた物を着ていました。虫よけ・薬効、又は身分など実用性から装飾へと、染色技術は人から人へとつながれていきました。

安価で便利な化学染料に比べ、今となっては貴重となってしまった藍など天然染料ならではの地味なようで鮮やかな彩度ある色。色を重ねることによって出る色のとろみ、「侘びの味」の様な雰囲気は独特の物があると思います。そんな宝島染工の商品を、わざわざでは長く取り扱ってきました。

これからの季節に出番が増えそうな「しかく」という意味を持つ宝島染工の「KAKU」シリーズのドレス。デザインに着物をモチーフに、生産段階でカットロスを減らすために直線縫製で仕立てられています。ギャザーやリボンで調整できますので、気分に合わせてさまざまなシルエットを楽しめます。

生地には繊維が細く柔らかくなめらかな肌触りで、光沢と落ち感のあるキュプラと綿を採用。そこにシワ加工を施すことで、ほんのり光沢を帯びながら程よいハリのある見た目は、上品にもラフにも着こなすことができそう。吸湿性、透湿性にも優れているので、暑い時期でも心地よく。

リボンの結び方次第で、ゆったりとしたリラックススタイルにも、すっきりとしたタイトなシルエットにも変化。ボトムスとのレイヤードスタイルも楽しめるので、ワンピースとしてだけでなく、デニムやワイドパンツとの組み合わせても。袖はしっかりと腕をカバーしてくれるので、気になる部分もさりげなく隠せて、気軽に着られるのもポイント。

日本人には書道や水墨画で馴染み深い「墨」。その墨で染められたカシュクールタイプのブラウスです。墨染の特有のしっとりとしながらも深みのある色合いが、日常のファッションに自然と溶け込みます。

服を選ぶときに気にするポイントのひとつが、自分の持っているアイテムと相性が良く、着回しができそうかどうか。このブラウスは、色味もデザインも機能も、着回しのしやすさに秀でている印象です。サイズはフリーサイズ。ウエストから前後に入ったギャザーは、女性らしいソフトなシルエットを演出してくれます。

紐を結ばずに軽い羽織としてふわっと着ても、結んですっきりとしたトップスとして着ても良さそう。中にTシャツやワンピースを合わせて、雰囲気の異なるコーディネートを楽しめそうです。