山形打刃物シリーズの牛刀。
もともと、一般的には肉食の機会がなかった日本では、菜切り包丁や出刃包丁が主に使われていました。肉食が普及するにつれ、洋包丁と呼ばれる牛刀や、三徳(文化)包丁が広がりました。
牛刀はもともと、肉の塊を切り調理するのにヨーロッパで使われていました。刃の幅が狭く、刃先を入れやすかったり、肉の筋などの切りにくいものを切るのにも適しています。
牛刀をベースに、野菜や魚も切りやすいよう、刃の幅を広げたのが、肉・魚・野菜に使える三徳包丁とも言われます。
ただ、三徳包丁、牛刀といっても、それぞれの包丁の仕様やデザインにより大きさや刃の幅、形は様々ですので、実際は厳密な区別はなく、おおよその目安としてお考えください。
牛刀=お肉専門包丁と聞くと、専門的な包丁のようにイメージされ少しハードルが高いかもしれませんが、PINTでは、日常的に使う包丁を考えているため、少し細めで小ぶりな三徳包丁というイメージで作っています。
<サイズ比較>
牛刀|全長 27.0cm 刃渡り 15.3cm
包丁(三徳)|全長:31cm 刃渡り:18.3cm
*牛刀の方が、刃の幅が狭く細め
そのため、PINTとしておすすめしたい使い方は、牛刀を三徳包丁のようにメインで使うこと。少し小ぶりで、細めの刃は、日本の狭いキッチンスペースにも相性が良いです。また、今の日本の食卓は、お肉も食べますし、大きな野菜はカットされたものを買うという機会が多いと思います。手に馴染み動きやすさがあり、大きな野菜丸ごとを切ることはないという方や、1人、2人暮らしでしたら、三徳包丁の代わりとしてもおすすめです。実際に、牛刀をメイン包丁として使ってくださっている方も多いです。
伝統的な打ち刃物の製法で作っています。
量産品の包丁は抜き刃物といいます。型で抜いた包丁作りで、コストが抑えられる大量生産方式です。
一方、打ち刃物はいわゆる鍛冶屋の仕事で、一点一点鋼を打ち鍛え、成形します。もともとは鍬などの農具の製作、包丁は日本刀を原型とする製法で、山形では650年もの歴史を持ちます。
合わせ刃(合わせ包丁)と呼ばれる仕様で、「地金」と呼ばれる柔らかい金属で、刃先になる硬い「刃金」を挟み込むような構造です。素材は、地金には日常使いしやすいようにステンレスを、刃金は鋭い切れ味と耐摩耗性を併せ持つ青紙2号という鋼を使っています。
ステンレスと鋼を鍛接(たんせつ)し、高温に熱して打ち叩き、鍛えます。この工程によって金属内部の組織が密になり、強度と粘り強さが高められます。常温の状態でも打ち叩き、鍛造を行い、削って刃作り。何度も確認して歪みを取り、研ぎを繰り返して完成します。
刃には槌目が残っていますが、これは打ち刃物ならでは。この槌目の凸凹で、切った食材が刃から離れやすいという面も。
打ち刃物には、和食の料理人が使う「片刃」のものが多いですが、この包丁は毎日使う包丁というコンセプトのため「両刃」です。一般的な包丁と同じですので、ご安心ください。
両刃は左右対称に刃が付いていますので、右利き・左利きどちらでもお使いいただけます。
柄はオリジナルの木の柄。打ち刃物の包丁でも、柄は外注品を取り付けることが多いですが、PINTの包丁は島田さんが1点1点削り製作くださっています。和包丁は差し込む形状が多い(写真中央の出刃包丁)ですが、この"鍛冶職人の牛刀"は洋包丁のように木で挟み込んで真鍮で留めています。木の質感を残しながら表面を保護をし、メンテナンスも不要のためラッカー塗装仕上げにしています。
打ち刃物の包丁は初めてという方にも選んでいただけるよう、伝統的な製法で作りながらも、今、毎日使い続ける包丁としてのバランスを考えました。
・刃の部分に鋼を使用しているため、鋼部分の錆はご注意いただく必要があります。また、柄部分も無垢材を使用しているため、水気にはご注意ください。この点以外は、一般的な包丁と大きな違いはありません。
・食洗機のご使用はお避け下さい。
・水洗いした後には、ふきんなどで水分を拭き取ってください。
・錆が付いた場合は、市販の錆取り剤などをご使用ください。中でも、消しゴムタイプの錆取り剤は、使いやすく、刃を傷つける心配も比較的少ないため、おすすめです。
・製作くださっている島田刃物製作所にて、研ぎ直し、刃こぼれ等の修繕も承ります(有料)。PINTまたは島田製作所までご相談ください。
パソコンのモニター環境や携帯電話の機種・設定によって、商品の色味や素材感などが実物と異なって見える場合がございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。
- カテゴリ
- 生活雑貨 > キッチン用品・調理器具 > 包丁・ナイフ
- ブランド
- PINT
- シリーズ
- 包丁
- 素材
- 刃 鋼(青紙2号)・ステンレス
柄 欅
- サイズ
- 全長 27.0cm
刃渡り 15.3cm
- 仕様
- 刃 合わせ包丁・両刃
柄 ラッカー仕上げ
- 生産地
- 包丁 山形
- 外装
- 専用箱入り
- 備考
- *木は天然素材のため、木目や色は1点1点異なり、写真と色味が異なる場合があります。また、手で削っているため、形に多少の個体差があります。木目や削った際に生じる濃色箇所や小さな削り跡など入る場合がありますが、使用・堅牢度ともに問題なく、良品と判断したもののみお届けしています。万一、この箇所から問題が生じた場合は、交換・付替等無償にて対応いたします。
*木の柄はラッカー塗装仕上げです。塗装完了後すぐにお届けする場合、塗装工程で使用する揮発性の溶剤の匂いが若干残っている場合があります。匂いがある場合は、棚の引出しなど狭い空間に閉じ込めずに(匂いが篭る場合があります)、風通しの良い場所で保管ください。使用と、時間の経過とともになくなります。
鍛治職人の包丁(三徳)・牛刀・小さな包丁・たがる包丁