老舗メーカーが手掛ける商品には、なんとも言えない安心感があります。長きに渡り人々に愛されてきたということは、伝統とともに品質や使い勝手のよさが宿っているのだろうと感じています。今日は、欧州で半世紀以上の歩みがあるメーカー4社の歴史と逸品をご紹介します。

1873年創業の老舗英国靴メーカー、Sanders（サンダース）。イングランド東部にある高級英国靴の聖地ノーサンプトン州のラシュデンで、サンダース家が四代に渡りレザーシューズを作り続けているメーカーです。「1830 Military Derby Shoe」は、Sanders MILITARY COLLECTIONのひとつとして、約22.5cm〜25cmのサイズを取り揃えています。

注目すべきは、伝統的な「グッドイヤー・ウエルテッド製法」。中底に貼り付けられたテープ状のリブと呼ばれる部分にアッパー（甲革）とインナー（裏革）、ウェルトを機械で縫い付ける製法です。この方法はアッパーとソールが直接縫い付けられていないため、ソールが磨り減っても容易に貼り替えられます。

靴のサイズとデザインを考慮し気持ちゆったり目のヒールの大きさやつま先、大きく開くため着脱がしやすい羽根（靴紐を通す部分）など、伝統に機能性が備わり、末永く愛用できます。

雨に強く、美しい光沢が特長のポリッシュドレザーが使われ、少しの汚れならサッと拭き取るだけでお手入れができます。正統派でありながらフォーマルすぎない、それでいて英国の伝統を感じさせる革靴で、足元の粋な装いを楽しんでくださいね。

James Mortimerは1894年に創立した老舗シャツメーカーです。北アイルランドのドネガル地方の都市・バンクラナにて、親子三代に渡り特注生産で一枚一枚のシャツを伝統的な製法での手作業で作り続けています。

生地はリネン生地の最高峰と言われるフラックス（亜麻）を原材料にした「アイリッシュリネン」を使用。光沢感があり柔らかな肌触りが特徴のほか、吸水性、速乾性、耐久性にも優れています。使い続けるほどに色が落ちていき、経年変化を楽しめる生地でもあります。

洗濯時のほつれや引きつれを防ぐガゼットや、前後の脇部分やアームホール部分がシャツ専用の2本針での縫製で堅牢に仕上がっている点など、James Mortimerのシャツは細かな部分への配慮が行き届いています。だからこそ長く着ることができ、長く愛されてきたのでしょう。

1963年、デンマークで誕生したjoha（ヨハ）は、スカンジナビアでは誰もが一度は袖を通すと言われるほど馴染みのある老舗ブランド。ウールの子ども向け下着を作ったことからスタートし、現在ではレディースやメンズ用のインナーも手掛けています。

johaの肌着には、チクチクする不快感がほとんどありません。その秘密は、良質のメリノウールの中でも最高級の18-19ミクロンという細い繊維を使用しているから。創立以来付き合いのある老舗ニット工場との共同開発だからこそ、ハイクオリティーなインナーを実現できたと言います。

保温効果や吸水効果があるウールは、常にちょうどよい体温に保ってくれます。今の季節、寒い屋外から暖かい室内に移動すると汗ばむこともありますよね。服装による体温調節がむずかしい場面でも、このインナーを着ていたら快適に過ごせるでしょう。

わざわざが取り扱っている老舗の逸品は衣類だけではありません。「イタリア産 ロングパスタ」を作っているグラニャネージ社は、イタリアの老舗パスタメーカーです。1834年から、イタリアのナポリ市の南、ヴェスヴィオ火山とソレント半島の中間にあるグラニャーノでパスタを作り続けています。

特筆すべきは乾燥方法です。低温で長時間かけパスタを乾燥させるという、昔ながらの天日乾燥製法に近い作り方をしています。一般的に製粉からパック詰めまでかける時間は6時間ほどですが、約3日間かけることで小麦粉のグルテンに火が入らない状態で製品が完成するため、茹で上げたとき生パスタに近い食感が楽しめます。

ロングパスタは6種類をご用意していますので、ソースに合わせてお好みでお選びください。パスタ発祥の地・グラニャーノから届く本場の味を、ご家庭でもお楽しみください。

創業から現在まで愛される逸品には、その道と真摯に向き合うからこそ生まれる類まれな素晴らしさがあります。わざわざも敬愛する逸品を、みなさんにも身に着けたり、食したりしていただけると嬉しいです。本日のレコメンドアイテムには国内の老舗メーカーの品々を集めました。ぜひ最後までご覧くださいね。