STANDARD SUPPLY
【NEW SERIES GRACE】 – グレイス – 繊細な上品さを、シンプルかつ機能的に。
記事を書くにあたって『シュランケンカーフ(ドイツシュリンク) 』との出会いを思い出しています。
20数年前、パリの有名メゾンで見た上品で威厳さのあるバッグ。
当時バッグデザイナーとして国産革を使う事が多かった僕には、なかなか使う事が出来ない値段の革で、いつかは使ってみたい革のひとつでした。
当時、台東区の輸入革を扱う問屋さんに行くとその革はありました。
革が保管されているフロアに通されると輸入革特有の匂いがしたのを憶えています。
『その革たちの匂い=高級品』それが僕にインプットされた記憶です。
匂いの記憶は残るようで丁寧に鞣された革の匂いを嗅ぐと今でも思い出します。
見せて頂いたのは、ペリンガー社のシュランケンカーフや今はなきドイツの名タンナー、 カールフロイデンベルグ社のドイツシュリンク。
パリの有名メゾンが先に選別して落とされたものが日本や他の国に送られているとか…。
そこはバッグを作る際、パーツを裁断する時も、革の目やシボを見て良い場所だけしか使わないとか…。
そんな話を聞いて、僕らの中ではその革が伝説になっていた記憶があります。
そんな憧れの革。
いつかは使ってみたいと思っていたクローム革の最高峰。
STANDARD SUPPLYで大人が持てる上品な革小物を作ろうとなった時に是非その革を使おうと頭に浮かびました。
2020/12/03